英国サーキュラーエコノミー推進機関のエレン・マッカーサー財団*は、2020年4月15日から10週間にわたり、サーキュラーエコノミーを学ぶオンライン学習プログラム「From Linear to Circular」を開催しました。テーマは、サーキュラーエコノミーの基礎・デザイン・ビジネスモデル・プラスチック・ファッション・都市・食・環境再生型農業など幅広い分野。全世界から約5,000名が参加し、参加者同士の学び合いも活発に行われました。
サーキュラーエコノミー推進プラットフォーム「Circular Economy Hub(以下、CEHub)」では、同財団の許可を得たうえ、プログラムで得た学びを特集記事として公開したところ、予想以上に大きな反響を呼びました。そこで、さらに多くの方にこの学びをお届けしたく、全7回の連続オンラインプログラムを企画いたしました。
*エレン・マッカーサー財団・・・ヨット単独無寄港世界一周の最短記録を打ち立てたDame Ellen MacArthur氏が2010年に設立したサーキュラーエコノミー推進機関。グローバル企業や中小企業、国、自治体、教育機関、NPOなどあらゆるセクターと協働でサーキュラーエコノミーを推進。サーキュラーエコノミーの企業間ネットワークである「CE100」やプラスチックのサーキュラー化を目指す「New Plastic Economy」、ファション分野の「Make Fashion Circular」などを組織し、各業界とサーキュラーエコノミーへの移行を推進。そのほか、調査や教育機会の提供も行い、世界のサーキュラーエコノミーを牽引する団体として知られています。
開催スケジュールとゲストスピーカー
全回19時〜21時を予定しています。
※各回の詳しい内容やゲストのプロフィールは別途ご案内する予定です。
※エレン・マッカーサー財団学習プログラム「From Linear to Circular」を受講した西崎こずえ(アムステルダム在住・Circular Economy Hub編集部)が全回スピーカーとして登壇します。
第1回:9月1日(火)「サーキュラーエコノミーとは?概念とビジネスモデル」
スピーカー:Circular Economy Hub編集部 西崎こずえ
初回に限り、Circular Economy Hubメンバーのみでサーキュラーエコノミーの原則や概念、サーキュラーエコノミーと親和性のあるビジネスモデルについて語り尽くします。次回以降に活かせる基礎プログラムとなるため、初回にはご参加されることをお勧めします。
プログラムレポート:「サーキュラーエコノミーとはそもそも何か?」
第2回:9月8日(火)「サーキュラーデザイン」
ゲストスピーカー:東洋製罐グループ(※登壇者調整中)
欧州委員会は、製品の環境負荷の最大80%は設計段階で決まるとする調査結果*を発表しています。エレン・マッカーサー財団が定義するサーキュラーエコノミーの3原則のうちの1つにも、「廃棄物と汚染を出さないように設計する (Design out waste and pollution)」と掲げられ、デザイン(設計)はサーキュラーエコノミーの根幹として位置づけられています。では具体的にはサーキュラーデザインとは何か、持続可能な容器づくりに取り組む東洋製罐とともに掘り下げていきます。
*欧州委員会「Ecodesign your future」
プログラムレポート:「サーキュラーエコノミーのためのデザイン」
第3回:9月29日(火)「プラスチックのサーキュラー化」
ゲストスピーカー:
ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社
アシスタントコミュニケーションマネジャー 新名 司 氏
R&D ヘアR&D シニアスペシャリスト-パッケージ 板垣 篤史 氏
2020年7月1日より日本でもレジ袋の有料化が始まり、プラスチックへの関心が再び高まっています。Circular Economy Hubでも「サーキュラーエコノミー×プラスチック」特集を開始し多くの反響を呼んでいます。第3回ではプラスチックを適切に管理し、循環化させる道筋を6つの方法と4つのモデルをご紹介。さらに、「ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン」を掲げてサーキュラーエコノミーにも取り組むユニリーバ・ジャパンと、プラスチックの循環化についての理解を深めます。
プログラムレポート:「プラスチックのサーキュラーエコノミー」
第4回:10月13日(火)「都市(自治体)とサーキュラーエコノミー」
ゲストスピーカー:
北九州市環境局環境産業推進課 課長 園 順一 氏
企画調整局SDGs推進室 次長 上田 ゆかり 氏
日本有数の工業地帯として発展した北九州市。かつての公害克服の歴史を経て、市民主導によるリサイクル運動や官民連携によるリサイクル関連ビジネスが成長しました。近年では、太陽光発電の廃パネルやリチウム電池のリサイクルをはじめ、社会課題の解決に貢献するリサイクル関連ビジネスの創出に取り組み、2018年にはSDGs未来都市に選定されました。リサイクルを筆頭に、サーキュラーエコノミーの実現につながる環境ビジネスをもって持続可能な都市づくりに挑む同市の取り組みをお話しいただきます。
プログラムレポート:「サーキュラーエコノミーと都市 ー建築・交通・フードシステムを変えるー」
第5回:10月27日(火)「サーキュラーファッション」
ゲストスピーカー:株式会社三陽商会 事業本部 エコアルフビジネス部 企画課長 下川 雅敏 氏
現在のファッション業界の環境負荷は高く、世界では年間9,200万トンの衣類の廃棄が発生*1、1秒にトラック1台分の衣服が廃棄されているともいわれています。日本でも衣類のリユース・修繕・リサイクルの割合は約26%(2009年)*2 で、残りは焼却か埋め立てされます。そのため、循環化の重要性が叫ばれ、昨今急速に取り組みが進んでいる業界でもあります。ファッションを循環化するにはいくつかの方法があります。その道筋について、今年3月に日本に上陸したサステナブルブランド「エコアルフ」を手がける三陽商会の下川雅敏さんとともに描いていきます。
*1 Global Fashion Agenda & The Boston Consulting Group “PULSE OF THE FASHION INDUSTRY”
*2 独立行政法人中小企業基盤整備機構 「繊維製品3R関連調査事業」報告書
プログラムレポート:「ファッションのサーキュラーエコノミー」
第6回:11月10日(火)「食の循環化と環境再生型農業」
ゲストスピーカー:※現在調整中
私たちはこれまで、食に1ドル支払うごとに2ドルの社会的・環境的コストを負担するリニア型モデルを成り立たせてきました。この課題に対して、エレン・マッカーサー財団は「自然の仕組みを再生する(Regenerate natural systems)」ことをサーキュラーエコノミーの3原則のうちの1つに挙げています。主に食や農業の文脈で語られることの多いこの原則は、日本で少しずつ紹介され始めた「リジェネラティブ」あるいは「環境再生型」として最重要視されています。とはいうものの、同財団自らも示唆するとおり、3原則のなかでも最も理解が難しい原則でもあります。「食の循環化・環境再生型農業」を具体的事例を紹介しながら、ダンボールコンポストを通じて、食の循環化について考えていきます。
プログラムレポート:「食のサーキュラーエコノミー」
プログラムレポート:「再生する農業」
第7回:11月24日(火)「建築とサーキュラーエコノミー/全7回のまとめ」
ゲストスピーカー:株式会社乃村工藝社 加藤 悟郎 氏、吉田 敬介 氏、小糸 紀夫 氏
全産業の廃棄物に占める環境廃棄物の割合は高く、日本でもその割合は21.9%(2018)*と再生資材の活用が急務となっています。しかも、建築は人々が過ごす空間を形作るため、幸福感が味わえる社会的側面を気にかける必要があります。そのようななか、国産材活用や廃材抑制、後利用を考えるサーキュラーデザイン、デジタルテクノロジーによる木質空間の拡張性への挑戦、歴史的建造物の利活用を通じた地域活性化など、建築や空間デザインでクリエイティビティとサステナビリティの両立に取り組む株式会社乃村工藝社様をゲストにお呼びし、この分野のサーキュラーエコノミーについて考えます。なお、この回ではこれまでの総括も行います。
*環境省 令和元年度事業 産業廃棄物排出・処理状況調査報告書 平成 30 年度速報値(概要版)
プログラムレポート:「サーキュラーエコノミーと都市 ー建築・交通・フードシステムを変えるー」
開催概要
当日の流れ
19:00:オープニング(5分)
19:05:Circular Economy Hubメンバーによる解説(30分)※初回のみ60分
19:35:ゲストスピーカーによる活動紹介(30分)※初回除く
20:05:質疑応答/パネルディスカッション(30分)
20:35:次回告知&クロージング(5分)
20:40:ブレイクアウトルームによるネットワーキング(20分)
参加費用
ご関心のある回を選択できる各回チケットと、全7回分チケットをご用意
各回チケット(1回分):3,000円
全7回チケット:18,000円
定員
各回50名(※先着順)
会場
オンライン(オンライン会議ツール「Zoom」を利用)
こんな方におすすめ
- サーキュラーエコノミーの基礎について学びたい方
- サーキュラーエコノミーの概念をおさらいしたい方
- 所属組織内でサーキュラーエコノミーを推進する立場にある方
- サーキュラーエコノミーに関する新事業を立ち上げたい方
- サーキュラーエコノミーに取り組む方々とのネットワークづくりをしたい方
- 上記に関わらず、サーキュラーエコノミーに関心のある方ならどなたでも
申込URL
こちら(peatix申込画面)よりお申込ください。
Circular Economy Hubについて:
Circular Economy Hub は、ハーチ株式会社が運営するサーキュラーエコノミーの推進を目的としたオンラインプラットフォームです。国内外のサーキュラーエコノミーに関する最新情報や事例、洞察、イベント・ワークショップ、体験プログラム、ネットワーキング、マッチングなどを通じてサーキュラーエコノミーを推進したい企業や団体、自治体の皆様を支援します。
URL:https://cehub.jp
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August 22, 2020 at 06:05AM
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