断捨離には「散らかりの断捨離」と「汚れの断捨離」があるとのことで――(提供:photoAC)
********断捨離とは「断つ・捨てる・離れる」を軸にした、住まいと心の整理のこと。この3つの行動をくり返すことによって、人生を展開させることができると話すのは、断捨離の第一人者であるやましたひでこさん。掃除したいと思いつつ、モノをそのまま放置している方も多いのではないでしょうか。忙しくてもすぐにできる、運が入ってくるとされる「玄関」をきれいにすポイントを、やましたさんがアドバイスします。
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【写真】汚れたらまるごと捨てる!やましたさんが使用している「ゴミ箱に見えないゴミ箱」
玄関は、幸運も不運も入ってくるウェルカム空間
玄関とは入口。何でも入口から入ってきます。
もしも入口がモノで溢れかえっていたら、「入ってくるな」と拒絶しているのと同じ。
入口が汚かったら、汚いモノたちが自分の住処(すみか)だと認識して入ってくる入口になってしまいます。疫病神や貧乏神が自分の住処だと勘違いして入ってくる、なんてことがあってはなりません。
私たちが「汚い」という言葉を発するとき、その意味は2つあります。1つはモノが散らかっていて汚いこと、もう1つは汚れていて汚いこと。
よって断捨離には「散らかりの断捨離」と「汚れの断捨離」があります。
散らかりの断捨離は、不要・不適・不快なモノを取り除くこと。これを「お祓い」と呼んでもいいでしょう。そして汚れの断捨離、つまり「お清め」に取りかかります。お清めとは、まさしく「掃く・拭く・磨く」ですね。
お祓いができていないと、お清めにはたどりつきません。玄関ドアを拭いていますか? 靴箱の扉を拭いていますか?
日々、砂ぼこりが舞い込み、土足で行き交う玄関は汚れが蓄積しやすい空間です。モノを取り除くと、汚れが見えてきます。汚れが見えると、手入れをしようという気持ちが湧いてくるのです。
玄関とはウェルカム空間。お客さまを「ようこそ、いらっしゃい」と出迎える空間であり、自分と家族にとっては「ただいま」「おかえりなさい」の空間です。
そこを美しい空間にしておくことで、幸運の神様は気軽に立ち寄ってくれることでしょう。
『モノが減ると「運」が増える――1日5分からの断捨離』(著:やました ひでこ/大和書房)
ケ(日常)のモノを置くと、なぜ美しくないのか?
玄関にどんなモノを置いていますか?
ときどき見かけるのは、玄関になにげなく置かれているゴミ箱です。いらないダイレクトメールをすぐ捨てられるようにと考えてのことかもしれませんが、そういった紙類は家の中に持ち込み、破って捨てれば済むはず。
私は玄関にゴミ箱は置きません。
というのも、玄関はハレ(非日常)の世界ですから、ケ(日常)のモノであるゴミ箱を置いてはならないのです。
ゴミ箱じたいが汚れやすく、ウェルカム空間にふさわしくありません。
私は玄関に限らず、家のあちらこちらにゴミ箱を置かないと決めています。基本は、キッチンに3つ(ゴミの種類別)と洗面所に1つ。ゴミ箱は紙袋で持ち運び式にしているため、ゴミの日にゴミを回収しながら各部屋を渡り歩くことはありません。
ゴミ箱が汚れたらまるごと捨てます。
玄関の靴箱の上に“運を呼び寄せるアイテム”を置いている人もいます。もちろん置くのはかまわないのですが、問題はそのアイテムが手入れされていないこと。ただ置いているだけ、ただ飾っているだけです。幸運の招き猫がホコリまみれだったら? かえって邪気を招いてしまいます。
置き物は、今すぐ手入れをしましょう。ホコリを取り払い、キレイに磨きます。
もし手入れをするのが大変だなと思ったら、それは数が多すぎる証拠。
ちゃんと手入れできる、この空間で引き立つ、そんなモノだけに絞ります。
さあ、玄関スペースを見回してみてください。手入れしていない汚れたモノ、ホコリをかぶったモノが放置されていませんか? ハレの空間、気持ちのよい「入口」をキープしましょう。
スリッパの「要・不要」を判断する
あるお宅にうかがって驚いたのは、“モップ付きのスリッパ”の存在です。家の中はぐちゃぐちゃでホコリをためている家の主が、もふもふしたボリュームのあるスリッパを履いて歩いているのです。スリッパで掃除をするどころか、モップについたホコリを各部屋に自ら運んでいます。真っ先にその汚れたスリッパから断捨離しなければなりません。
そんなスリッパを履く前にすべきことは、素足でも足が汚れない住まいづくり。日頃からモノを減らし「掃く・拭く・磨く」をしやすい床をキープしておけば、スリッパはいらないのです。わが家にスリッパはなく、お客さまには「素足でどうぞ」と声を掛けています。
そもそもスリッパは手入れしようという発想になりにくいモノ。スリッパをひっくり返すと例外なく汚れているのですが、スリッパを毎日洗う人などいません。一方、足の裏は毎日洗います。自分もキレイ、床もキレイだったら、足をカバーする必要はないのです。
「きれいな床」というおもてなし。玄関からリビングへ。つるつるに磨かれた床に太陽の光がまぶしく反射しています(出典:『モノが減ると「運」が増える』)
こうした日頃のケアを怠り、モップ付きスリッパで済まそうとする人のもとに運はめぐってきません。
面倒なスリッパの手入れに頭を悩ませるくらいなら、思いきってスリッパの断捨離を。すると、スリッパの収納スペースにも空きが生まれます。
靴箱は2度、断捨離しよう
靴は思い入れの強いモノですから、1度の断捨離ではうまくいきません。靴箱は2度、断捨離しましょう。
1度目の断捨離では、履かない靴、履けなくなった靴の断捨離を。汚れて傷んだ靴だったら躊躇なく捨てられるはずです。
2度目の断捨離は、少しハードルが上がります。デザインは気に入っているけれどサイズが合わない、歩くと痛い……そんな靴を断捨離します。これらは思い入れがあるぶん、捨てづらいもの。でも結局、履けず、履いていないのですから、自分の「思考・感覚・感性」を働かせて断捨離します。
つまり、1度目の断捨離はモノ軸(靴軸)で、2度目の断捨離は自分軸で。
1度目より2度目になると、靴箱の空間にゆとりができ、そのぶん私たちの「思考・感覚・感性」もクリアになっています。断捨離すべき靴がわかるようになるのです。ぜひ一度であきらめず、2度トライしてみてください。
じつは私にも捨てられない靴があります。一目惚れして買ったパンプスですが、靴はどんなに気に入っていても歩きにくかったらアウト。こうした靴は誰かフィットする人にもらっていただこうと思いをめぐらせているところです。
運気は足からやってくる
私の目安は、靴箱にシーズンごとに3足。
大の靴好きで、買い物に行くたびほしくなってしまうのですが、だからこそ限られた空間の中で入れ替えをするのです。1足1足がくつろいで出番を愉しみに待つ、そんな靴箱空間にしたいもの。
おしゃれは足元から。「なりたい自分」は? シーズンごとにお気に入りの2~4足を、ケアしながらくり返し履いて履き倒します(出典:『モノが減ると「運」が増える』より)
運気は足からやって来ます。
足場を固める、足を洗う、地に足をつける。軽やかに歩むために、靴の断捨離、靴箱の断捨離をしましょう。
〈1度目〉
(1)靴箱を開け放ち、靴をすべて水平面に出して俯瞰する。(1日5分から、靴箱1段ずつから始めよう)
(2)汚れて傷んだ靴、履けなくなった靴を断捨離する。
(3)1足1足がくつろげるように余裕のあるディスプレイをする。
〈2度目〉
(1)靴箱を開け放ち、靴をすべて水平面に出して俯瞰する。
(2)履くと痛い靴、サイズが合わない靴、なんだか履く気になれない靴を断捨離する。
(3)1段に3足を目安に。靴屋さんのようなディスプレイを愉しむ。
※本稿は、『モノが減ると「運」が増える――1日5分からの断捨離』(大和書房)の一部を再編集したものです。
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