■くるぶしを覆っていてもブーツとは呼ばない……バイク用シューズ
皆さんこんにちは。
フラッグシップの上野です。
バイクアパレル業界内側からのおしゃべり、「バイクのよろずはなし」。
前回まで、ジャケット、グローブと、ライディングギアにまつわるお話をしてきました。
今回はバイク用ブーツ&シューズへと進みます。
ところで皆さんはラインディングシューズやライディングブーツを履いたことがありますか?
履いたことがない方は「何をもってしてライディング用なの?」となりますよね〜。
ん〜、違いを知りたいですよね〜。
ブーツ? シューズ? 境目は??
ではまずは、一般的なところから。
シューズとブーツの違いについてお話したいと思います。
いろいろ国によって説明が違うみたいですが、大まかに言うと、くるぶしが見える程度の丈のものをシューズ、それより丈が長いものをブーツと分類します。
ところが、バイク用シューズとなるとちょっと事情が違います。
それは安全性の問題に関わるからです。
くるぶしを守るため、専用のパッドやクッションで守る形状になってます。
転倒時、バイクに足が挟まれたり、引きずられたりしたとき、くるぶしはダメージを受けやすい場所なんです。
考えるだけでも恐ろしいですね……くるぶしが削られるとか。ひゅんひゅんしますね。
なので、バイク用ではシューズと言えどくるぶしが隠れるくらいのものも含んでいます。
まぁ、実際のところ、厳密な決まりがあるわけではないので、その製造しているメーカーさんが「これはブーツです!」、「これはシューズです!」と言えば、そうなるんだろうな……とも思っています。
ここは、各メーカーさんの感覚が出るところです。
スニーカーの話になるともっと複雑で定義が曖昧なので、ここではご説明できませんが、ご興味ある方はwebで検索してみてください。
素材とサイズも、靴は独特のもの
では、次に素材とサイズについてお話します。
アッパー(靴底より上)の素材は主に革、人工皮革、ナイロン(メッシュ生地も含む)、プラスチック、布などがあります。
ジャケット、グローブでも使われる素材ですね。
底部(ボトム)は合成ゴム底、ラバー底、ポリウレタン底、革底などがあります。
それらの素材の特徴を生かして組み上げていくのが靴(シューズ/ブーツ)なんです。
靴にもジャケットやグローブにもあった「パターン」というものが存在します。
靴のパターンはデザイン的な物で、実際の大きさ、形状を決めるのが木型(ラスト)と呼ばれるものです。
木型といっても写真のようにプラスチック素材だったり、金属だったり、もちろん木製であることもあります。
この木型によって作り出されるのが靴のサイズ感なんですね。
ではサイズ感ってみなさんは何を基準にしてますか?
大概の方はサイズは?と聞かれれば、爪先からかかとまでの前後長を計り『◯◯cmです」となりますよね。
それが足長と呼ばれる寸法です。
じつは靴のサイズ感を決めるには、もうひとつサイズを測る場所があるんです。
それが足囲と言われるものです。
親指の根元と小指の根元の最も膨らんでいる部分の周囲をメジャーで測ります。
その足囲と足長から出される単位(比率)がA〜Gまであります。
主にE単位が耳にする単位ですね。
この靴は「だいたい2Eです」とか言われるものですね。
ちなみに日本の方は甲高、幅広が多いといわれてます。
油が付いても劣化せず、滑らないソールが求められるバイク用
次にソールのことを少し掘り下げてお話しますね。
ソールにも安全性に関係することがあります。
皆さんは「耐油」性という言葉を聞いたことがありますか?
「その靴底は耐油性で……」とか言われるものですね。
これ、どういう意味なのかわかりますか?
読み方は「たいゆ」です。
耐油って文字から想像して「油に強い!」、「油で滑りにくい!」と思ってしまいませんか?
実はこれ、「(人間が)油に負けない、滑りにくい」ではなく、「(靴底の)油による劣化を防ぐ強さ」の性能についての言葉なんです。
靴底に使用されるゴム素材は、油によって外観が膨らんだり硬度が落ちるといった劣化が起きやすいのです。
また、油が付着したままだと、靴にヒビが入りやすくなったりもします。
ですが「耐油性がある靴」では、そんな膨らんだりヒビが入ったりの劣化が進行しにくいのです。
別の重要な性能として、滑りにくいソールを持つ靴は「耐滑性能が高い」と表現されます。
グリップ力に優れていることを意味し、性能はソールの形状などにより生み出されます。
「耐油」と「耐滑」両方の性能を兼ね備えた靴が、靴底の安全性が高い靴です。
バイク用の靴では靴底の形状で乗るバイクの車種や用途が変わるので、自分のバイクの楽しみ方に合わせて選んでいただきたいです。
靴も、お店で試着して自分の用途や好みに合ったものを!
自分に合ったバイク用の靴を探そう!
ジャケット、グローブのときのお話でも述べてきましたが、試着はとても大事です。
お店に行って試着して、自分に合った靴を履いて頂きたいです!
ライダーの体に身につけるものは、安全性に関わる度合いが高いです。
靴にも安全装備であることが求められます。
それだけにサイズ選びは重要です。
サイズが合わないと運転操作に重大な支障を起こす場合があります。
そもそも、サイズだけでなく自分の用途に合わない靴を履くのは非常に疲れます。
歩いたりするだけでも辛くなります。
街なか? キャンプサイト? 景勝地? あなたの歩く場所を想像して試着してみてください。雨が降ったときにどうするか?も考えておくといいですね。
では、自分に合った安全快適な靴でのライディングをどうぞ! 快適なツーリングを楽しんでください。
次回、「靴の構造」を詳しくお話したいと思います!
レポート&写真●上野時夫
Profile●上野時夫
メーカー側からのコラム発信場所として「バイクのよろずはなし」をやらせていただいてます!! 「フラッグシップ」の上野と申します。とりあえず、所有バイクはWR250R と50ccのカブ、です。
バイクが持つ懐の広い世界にどっぷりと浸かっています。
バイクのアパレルに限らず、バイクそのものや用品、ほかいろんな事柄について、器大きくお話ができたらいいなーと思っています。
ひと月に1、2回、アップしていきますので、どうぞよろしくお願いします。
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