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靴卸の東邦レマック 既存事業への執着を打破。自分たちが売る - 繊研新聞

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 「まだプロローグに過ぎないのですが」。女性向けビジネス靴の卸が主力の東邦レマックの取締役経営企画室長兼営業本部長を務める笠井信剛さんは控えめに語る。自社ブランドやEC、クラウドファンディング(CF)など、卸だけに頼らない新しい商売を模索している。58年設立の老舗卸にとってハードルの高い挑戦だが、現状に危機感を抱くメンバーが周りを巻き込み、うねりを生み出している。

売り上げ3分の1

 かつてはケミカルシューズで業界一を誇った。黒パンプスを強みに、92年には売上高200億円を突破した。しかし、次第に失速、22年度の売り上げは約64億円で、ピーク時の3分の1以下に。オフィスカジュアルやスニーカー需要などライフスタイルの変化を一過性のブームと捉え、自分たちのビジネスに置き換えてこなかったためだ。

 そこにコロナ禍が直撃した。待ったなしで「新企画検討会議」に本腰を入れた。笠井さんを座長に、社長からパート社員まで部署横断で誰もが参加できる会だ。現場の旗振り役である企画の中島寿美さんらとともに、新需要獲得の企画立案や具現化を社内に呼びかけた。

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