<フィギュアスケート:グランプリ(GP)シリーズ第2戦スケートカナダ>◇29日(日本時間30日)◇カナダ・ミシソーガ◇男子フリー

第1戦スケートアメリカで銀メダルに輝いた三浦佳生(17=オリエンタルバイオ/目黒日大高)が大ピンチを乗り切って2位に食い込み、2戦連続の表彰台に登った。

ショートプログラム(SP)首位からフリーは2位の171・23点、合計265・29点。12月のGPファイナル(イタリア・トリノ)へ大前進した。

演技前の6分間練習で、靴ひもが切れた。リンクから一度降りざるを得ず、控室に戻って締め直した。戻ったときには残り1分ほど。急いで4回転トーループを跳んだが、十分な最終調整ができなかった。

「ループジャンプの練習ができなかった。練習していないのは怖くて、ぶっつけ本番は嫌だったのでやめました」

得点源の冒頭の4回転ループ。練習から成功率はいまひとつながら、挑戦はしようと決めていた。だが、靴のトラブルで急きょ方針を変更。“突貫工事”でジャンプの構成を大きく変えて、新フリー「美女と野獣」を滑り始めた。

冒頭は3連続ジャンプ。着氷させると、4回転-3回転の連続トーループも降りた。4回転サルコーこそ大きく転倒したが、アクシデントの影響を感じさせない演技を完遂した。

シニア本格参戦1年目で見えてきたGPファイナル進出。

「全く予想していませんでした。頑張って表彰台に上がれたらいいなと思っていた。アメリカ大会で2位になったところから、頑張ればワンチャンみたいな感じできた。この大会も2位になることができて、予想外でした。もし自分がファイナルにいけるとなった時は、本当に万全なコンディションで自分の力を出し切れるように頑張りたいです」。

一気に駆け上がる。(ミシソーガ=阿部健吾)