人生で費やす時間が最も多いのは何か。仕事でも学業でもなく、生涯の3分の1を充てる「睡眠」である。しかし近年、眠りにまつわる悩みを抱える向きは増す一方。睡眠研究の権威、秋田大学大学院の三島和夫教授に、押さえておくべき「睡眠」13の最新知見を伺った。 【写真4枚】この記事の写真を見る ***
〈「快眠法」やら「濃縮睡眠」「睡眠の質向上」に「爆睡術」。書店に赴けば、そんなタイトルの本や雑誌が棚に並べられている。テレビでも盛んに「睡眠特集」が組まれる。 しかし、〉 そうした本の中には、誤った記述が少なくありません。 〈と語るのは、秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座の三島和夫教授。 スタンフォード大学医学部睡眠研究センター客員准教授、国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部部長などを歴任した、睡眠研究のエキスパートである。〉 例えば、その中には、「短時間睡眠法」のように、実は危険な睡眠法があったり、「朝に味噌汁を飲めば眠りの質が上がる」というように、効果を得るためには何トンも飲まなければならない「快眠食材」があったりする。効果が弱く、実用的でない不眠対策法や、動物実験でしか証明されていない仮説段階の方法もあります。 要は、睡眠を巡る言説には「都市伝説」が溢れているのです。 〈玉石混淆の睡眠常識。眠りに悩みを抱える現代人は、何を信じるべきか。最低限、押さえておくべき常識を厳選し、三島教授に解説してもらった。〉
年代によって必要な睡眠時間は変化
〈まずは、睡眠時間について。少なからぬ人が適正な睡眠時間は何時間か? と聞かれると「8時間」と答えるのではないだろうか。8時間眠れると安心し、それ以下だと不安――ところが、だ。〉 この数字には、ほとんど根拠がありません。 〈と、三島教授は一刀両断する。〉 数字の出所がはっきりとしませんが、おそらく、日本人の平均睡眠時間が7時間42分で、そこから出てきた数字なのでしょう。 しかし、押さえておいていただきたいのは、睡眠時間は、非常に個人差が大きいということ。1日5時間程度で十分な人もいれば、9時間寝ないと日中の眠気に耐えられない人もいる。それだけでも4時間前後の個人差があるのです。 それに加えて、同じ人でも年代によって、必要な睡眠時間は変わってくる。全世界の、5歳から85歳以上までの約3500人について、睡眠時間を集計・解析したデータがありますが、15歳で既に平均睡眠時間は8時間を切っていて、70歳を超えると6時間を下回りました。 若い時ほど、エネルギーを消費して生活していますので身体を休める必要はありますし、年を取って基礎代謝が低くなると、その分、睡眠量が減ってくるのは当然といえば当然。 個人差もありますが、あくまで平均値でいえば、働き盛りの30~50代の人にとっては8時間弱でも十分だし、ましてや60~70代にとってはもはや高望みです。
「8時間睡眠がベスト」はウソ? 睡眠研究の権威が明かす「快眠法」のウソ・ホント(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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