走行区間がわずか約66キロの新幹線が来秋、佐賀と長崎の両県にまたがって開業する。半世紀かけた計画の実現に地元は沸くが、山陽新幹線や九州新幹線とはつながらず、短縮効果は30分程度にとどまる。観光客数は増えるのだろうか。
「戦後最大の再開発だ」
長崎では期待の声があふれる。終着駅となる長崎駅周辺では、大規模な工事が進んでいる。駅舎は元の場所から西に150メートルに建て替え移転され、空いた土地には高級ホテルを含んだ新駅ビルを建設。駅のすぐそばの大型コンベンション施設「出島メッセ長崎」は11月にオープンし、2024年にはサッカー専用スタジアムもできる予定だ。
県はカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致にも名乗りを上げている。国内外からの大規模な誘客につなげる狙いがある。
長崎県は基幹産業の造船業が衰退し、人口減少も九州で最も速いペースで進む。開業に向け奔走した長崎経済同友会の平松喜一朗・副代表幹事は「新幹線の開業は経済浮揚のスタートになる」と力を込める。
早くも新幹線需要?
来秋に開業するのは、博多(福岡市)と長崎(長崎市)を結ぶ九州新幹線西九州ルート(長崎新幹線)のうち、西側半分の武雄温泉(佐賀県武雄市)―長崎だ。乗車時間は約25分で、途中には3駅が設置される。1973年に整備計画に盛り込まれ、2008年4月に着工した。
約1300年の歴史を持つ武雄温泉。「セントラルホテル武雄温泉駅前」では早速、新幹線の需要を当て込んだ特別プランを売り出した。改修中の駅舎を眺められる7階の部屋を用意し、記念バッジを付ける。担当者は「開業も迫ってきたので盛り上げていきたい」。
駅近くの老舗旅館「湯元荘 東洋館」では、コロナ禍前の宿泊者の半分は関東や関西、中部からだった。江口敬子社長は「新幹線の開業は全国ニュースで、始発駅として知名度が高まるチャンス。人口の多い『東』からのお客さまに期待します」と話した。
ただ期待とは裏腹に、劇的な変化は望みづらい。
効果試算できず
長崎新幹線の東側半分である…
乗車時間25分の長崎新幹線、来秋に開業 途切れたレールの行方は - 朝日新聞デジタル
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