
記者席で「あっ」と思わず声が出た。
21日正午(日本時間22日午前4時)。
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第1戦スケートアメリカの公式練習に臨んでいた佐藤駿がリンクに倒れ込んだ。
ジャンプの失敗ではない。左手で氷を触る振りつけの中での出来事だ。
本人はこう振り返る。
「あまり記憶がないが、急に力が抜けた感じ。普段こけないようなところだったので、びっくりした」
場所は正面のジャッジ席から見て左奥。記者席の目の前だった。カメラのシャッターを切りながら、様子を追う。
日下匡力コーチら日本チームのスタッフが心配そうに見つめる中、左肩を押さえ、痛みに顔をゆがめる佐藤はリンクの外に出た。
取材エリアとして指定された部屋に向かう。佐藤の姿はない。
日本スケート連盟の関係者から「今からレントゲン検査を受けるので、対応はありません」と説明があった。
連盟から次の連絡があったのは午後4時半ごろだ。
「ケアをして、明日の試合には出場します」
翌22日午後0時50分。公式練習のリンクに佐藤の姿はあった。
左上腕部に痛々しいテーピングが巻かれていた。曲をかけての練習でもジャンプを跳ばずに調整した。その後は2回転ジャンプを数本こなすだけ。痛みに顔をゆがめる場面もあった。
練習を途中で切り上げた。日下コーチとともに会場を後にした。
棄権か。
下を向く後ろ姿を見ながら、そう思った。
しかし、1時間後、連盟から…
けがと戦い、悩んだ32時間 ラスベガスでみた17歳佐藤駿の決断 - 朝日新聞デジタル
Read More
Bagikan Berita Ini
0 Response to "けがと戦い、悩んだ32時間 ラスベガスでみた17歳佐藤駿の決断 - 朝日新聞デジタル"
Post a Comment