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生物は活動に使う「エネルギー」をどのように作り出しているのか? - GIGAZINE

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人間をはじめとする生物が生きるためにはエネルギーが必要であり、人間は食事からエネルギーを取り入れて利用可能な形に変換し、さまざまな活動を行っています。そんな生物を動かすために重要なエネルギーを生み出す仕組み、体内でエネルギーを伝達するために使用される物質について、科学系YouTubeチャンネルのKurzgesagtが解説しています。

Why Are You Alive – Life, Energy & ATP - YouTube

日常生活の中で実感することは少ないものの、人間の体内では常に信じられないほどの活動が行われています。人間は生きている限り、この活動を停めることができません。


人間を含む生物の体は細胞の自己複製プロセスにより……


物理的な死を避けているとのこと。


細胞の活動が停止し、自己複製プロセスが行われなくなってしまえば、生物は死亡してしまいます。


しかし、人間はたとえぐっすり眠って意識を失っても、そう簡単に死ぬことはありません。


全ての生物は外界から分離した細胞によって成り立っています。


「秩序があるものは、その秩序が崩壊される方向にしか動かない」という「エントロピー増大の法則」により、生物は常に破壊の危機にさらされながらも、それに対抗して命をつないでいるとのこと。


細胞の内部はいくつものタンパク質や水などの分子によって満たされており……


細胞の複雑な自己複製プロセスが、絶えず続けられています。


これによって生物はエントロピー増大の法則に抗い、生命を維持しているそうです。


細胞は自己複製や分子の運搬などの活動を行っていますが……


これにはエネルギーが必要です。


エネルギーは宇宙全体に満ちており、その総量はエネルギー保存の法則によって変化することはありません。


地球最初の生物は数十億年前に誕生しましたが……


最初の課題は「どのようにして周囲に存在するエネルギーを獲得し、生物が利用可能なエネルギーに変換するのか」というものでした。


そこで、生物がエネルギー伝達システムとして利用したのが、「アデノシン三リン酸(ATP)」という化学物質です。


ATPはエネルギーを貯蔵し、放出する上で非常に優れた構造となっており、地球上の生物の体内に広く分布しています。全ての真核生物がATPを利用しており、生物体内の存在量や物質代謝における重要性から、「生体のエネルギー通貨」とも形容されています。


細胞はエネルギーを持っているATPを分解して……


化学エネルギーを取りだし、さまざまな活動を行っています。


地球上で最初にATPが作り出された仕組みについてはわかっていませんが……


植物や真菌、細菌、動物は全てATPに頼って生きており、ATPなしでは生きることができません。


最初期の生物は地球上に存在する有機物をエネルギー源として利用していましたが、最初期の生物が利用しなかった「最大のエネルギー源」が存在するとのこと。


それは太陽です。


太陽は地球に大量の光エネルギーを光子として送り届けていますが、光子をそのままエネルギーとして利用することはできません。そこで、生物は光エネルギーを別のエネルギーに変換する必要がありました。


数億年の後、地球上の生物はついに光エネルギーを利用可能なエネルギーに変換する能力を身に付けました。


それが、「光合成」と呼ばれるシステムです。


光合成によって、細胞は光エネルギーを化学エネルギーに変換してATPを合成し……


さらに、水と空気中の二酸化炭素、そしてATPの化学エネルギーから、エネルギー源となるグルコースを合成しています。


光合成によって作られるグルコースは分解しやすく、生物にとって非常に便利なエネルギー源となりました。


太陽の光エネルギーを利用するこのシステムは非常に画期的なものであったため、一部の生物は厄介な光合成を自分で行う代わりに光合成を行う生物を取り込んで……


自らのエネルギー源にするようになったとのこと。


こうして地球上には、光合成を行う生物やそれらを食べる生物など、さまざまな生物が生息するようになりましたが……


ある日、1つの細胞が光合成を行う生物や好気性生物を取り込んだ際、相手を殺さずに一体化するという現象が発生しました。


この生物こそが、クジラやアメーバ、恐竜、クラゲ、アルマジロ、サルなど、あらゆる動植物の祖先といえる存在です。


もちろん人間も、この生物の子孫といえます。


2つの異なる生物が合体するということは、地球上の生物にとって非常に重要な事件でした。細胞内で生存することに成功した好気性生物は……


ミトコンドリアとしてATPの産生を行うようになりました。


ミトコンドリアは小さな炉のようなものであり、ATPの産生に伴って水や二酸化炭素、そして熱エネルギーを放出します。


細胞内に取り込まれた別の生物が1つの機能に特化する分業制が確立したことで、生物は大きな進化を遂げたとのこと。


さらに、別の生物を取り込んで複雑な機能を有した細胞同士が集まることで、多細胞生物が誕生しました。


その途方もない進化の果てに、人間が存在するのです。


人間の体内には数十兆個もの細胞が存在しており……


それぞれの細胞に含まれる生体マシンが、人間が活動するためのエネルギーを提供しています。


もし、多くの細胞が動きを止めてエネルギー供給が絶たれてしまった場合、人間は命を維持することができませんが……


人間はエネルギーを貯蔵するために脂肪細胞を利用しており、しばらくの間は外部のエネルギーを取り込まなくても生き続けることが可能です。


1日の間に人間の体内が作り出し、エネルギーに変換しているATPの数は膨大なものですが……


ATPが持つ質量当たりのエネルギー量はそれほど多くありません。


そのため、ATPは体内で生産された端から使用されるか、別の物質に変換されています。


人間を含めた生物は、こうした絶え間ない細胞のはたらきによって命を維持しているのです。

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