
かつて抹茶は非常に貴重なものでした。抹茶がどのようにつくられているのか、日本茶製造販売会社の吉永清志さんにお話を伺いました。
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■手間をかけてこそ生まれる美味
一定のスピードで静かに回り続ける石臼。あたりに満ちるお茶の甘く、ふくよかな香りに時のたつのを忘れてしまうほど。ここは抹茶を挽(ひ)いている工場の中です。「機械化が進んだ現代でも抹茶ができる過程は昔とほとんど変わりません」と語るのは吉永清志さん。
抹茶のもととなる茶の木は煎茶や紅茶などと同じ木です。良質な抹茶とそれ以外のお茶との最大の違いは、茶の木に覆いをかけて育てることです。冬の間に茶の木の根にできたテアニンという旨(うま)み成分(アミノ酸)は、春になると葉に吸い上げられますが、強い太陽光にあたるとカテキンに変わり、独特の渋みにつながります。抹茶として育てる茶の木には覆いをかけて日光をさえぎり、テアニンを葉に残します。これが抹茶の深い味わいをうみだし、葉が濃い緑色になる理由です。
■伝統の製法を現代に受け継ぐ
吉永さんによると茶の木に覆いをかける生育法は昔からあり、安土桃山時代に活躍したポルトガル人宣教師・ロドリゲスが著した本の中にも記されているそうです。その伝統的な製法は現代にも受け継がれています。
春に手摘みされた茶葉を、蒸し上げた後に乾燥させたものを碾茶(てんちゃ)といいます。この碾茶から葉脈などを取り除き、複数の碾茶をブレンドし、挽いて粉状にして抹茶ができるのです。
昭和30~40年代(1950~60年代)までは、製造工程に手作業がまだ多くありましたが、現在では機械化が進んでいます。「それでも上級の茶葉は手摘みですし、碾茶を抹茶に挽く速さは人の手で石臼を回すのとほぼ同じ。よい碾茶ほど粘りがあり、1時間に20~25グラムしか挽けません」。先人の知恵をいかし、手間ひまをかけて抹茶が今日もつくられています。
■『NHK趣味どきっ!茶の湯 裏千家 心通わすお茶』より
NHK出版
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March 22, 2020 at 06:00AM
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