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県固有のワイン用白ブドウ 「竜眼」から新商品 - 信濃毎日新聞

 安曇野市明科七貴の小規模ワイナリー「ルミリュウ」が県固有のワイン用白ブドウ「竜眼(りゅうがん)」を使い、近年、欧州などで人気が高まっている醸造法を用いた新商品「ポラリス竜眼オレンジ」を完成させた。生産が減少傾向にある品種だが、経営する2人の若手醸造家が「歴史ある竜眼の醸造の幅や可能性を広げたい」と企画。試飲した人からは「赤ワインでも白ワインでも味わえない独特の香りや渋味がある」と好評だ。

 同ワイナリーはともに市内の別のワイナリーに勤務していた代表の塩瀬豪さん(32)と副代表の斎藤翔さん(32)が2018年3月に合同会社として設立。天王原地区の1・5ヘクタールでブドウを栽培し、年間1万5千本ほどのワインを醸造する。

 通常、白ワインは白ブドウの果汁のみを発酵させて仕上げる。今回の醸造法は白ブドウの竜眼を皮ごと発酵させ、果実感や渋味を引き出した。澄んだオレンジ色に仕上がることから「オレンジワイン」とも言われ、海外では赤、白、ロゼに続く「第4のワイン」として近年注目を集める。国内では山梨県が先行して醸造を始めているが、県内での導入事例は少ない。

 18年産の竜眼で試験的な醸造を始め、評判が良かったことから、本年度は1400本分を醸造した。塩瀬さんは「醸造法に関する情報が少ない中で試行錯誤だったが、口当たりが優しく、中盤からしっかりした酸味とほのかな渋味が楽しめる味に仕上がった」としている。

 県園芸畜産課によると、竜眼は病気に強く、爽やかな酸味が特長の品種だが、近年、人気が高いシャルドネやメルローなどに押され、栽培面積は縮小傾向。斎藤さんは「古くから県で栽培される土着の品種を守っていくことに意味があると思う。竜眼の価値が見直されることにつながればうれしい」と話している。

 ワイナリーの店頭か電話で注文を受け付ける。1本(750ミリリットル)2700円。問い合わせは(電話0263・62・5507)へ。

(3月31日)

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March 31, 2020 at 07:18AM
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