国内の靴市場で消費の伸び悩みが続く中、単価の高いスニーカーの売れ行きが大きく伸びてきた。ラグジュアリーブランドや一部の靴のブランドではこの数年、高級感のある革や軽量で屈曲性の高い機能ソールを使った商品を充実し、ユニークな形状のソールを使ったスニーカーも増えた。強みは、シーズンに左右されにくいこと。その利点を生かし、定価販売を続ける企業は業績を伸ばし続けている。
10年で輸入数倍に
輸入統計の数字上では、この10年で、伝統的な作りの革靴から、革製のスニーカータイプへと日本の消費者の選択が完全に切り替わったことが見て取れる。コロナ禍で40%近く落ち込んだ靴の輸入数全体は、22年に約6億1200万足へと19年実績の93%まで回復し、この10年の水準と大きく変わっていない。その中で、紳士靴や婦人靴における革靴の輸入数は、14年から減少し、コロナ禍を経て半分近くに縮小し、1000万足を切った。
代わって伸びてきたのは、スニーカーに相当する「革製のスポーツ靴」。スポーツシューズも含まれ、10年前の輸入数は1000万足に至らなかった。年々数字を伸ばし、22年には倍の2000万足を超え、23年はさらに上回る勢いだ。
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