サッカーの世界的スターで、J1ヴィッセル神戸のアンドレス・イニエスタ選手(39)は、7月1日の札幌戦が神戸での最終戦となる。華麗なプレーを支えたシューズの開発に携わった靴型職人・大山義勝さん(75)(神戸市長田区)は「靴の街・長田の思いが詰まったシューズで戦う姿を目に焼き付けたい」と語っている。(新谷諒真)
イニエスタ選手は、スペイン代表として2010年ワールドカップ(W杯)の決勝・オランダ戦でゴールを決め、チームを初優勝に導いた。名門・バルセロナでプレーし、18年に神戸に入団。世界レベルのプレーを日本で披露するとともに、主将として20年元日の天皇杯を制し、神戸に初タイトルをもたらした。
大山さんは、これまでゴルフの石川遼選手らの靴作りに関わった実績があり、イニエスタ選手がシューズブランドを発足させる際、靴型製作の依頼を受けた。
拠点とする神戸市長田区は、靴製造業の集積地。21年10月、イニエスタ選手が訪問した際、足を計測した大山さんは「赤ちゃんのような『ぷにぷに』の筋肉。この柔らかさが繊細なプレーを生んでいる」と感じたことを覚えている。
靴型を仕上げる際、過去に骨折した指の付け根に負担をかけないよう履き心地に気をつけたといい、試作品を履いたイニエスタ選手は「グッド!」と反応し、満足した様子。大山さんは「一発OKは40年以上の経験で初めて。世界最高のサッカー選手に技術が認められた」と喜んだ。
シューズは、スペイン語で主将を意味する「カピタン」と日本語の「縁(えん)」を組み合わせ、「Capitten(キャピテン)」と名付けられた。スポーツ用品店などで1万5000円~3万円程度で販売されている。
イニエスタ選手は今季も自身のブランドのシューズを履いてピッチに立ったが、5月下旬に退団を表明した。大山さんは「自分が関わったシューズで、神戸での有終の美を飾るプレーを見せてくれれば、職人 に尽きる」と話し、最終戦はテレビ中継を見ながら声援を送る予定だ。
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