【ニューヨーク=弓真名】米靴販売大手のフットロッカーは19日、米化粧品小売りのアルタ・ビューティーで最高経営責任者(CEO)を務めていたメアリー・ディロン氏を次期CEOに迎え入れると発表した。9月1日から役員に加わり、CEOに就任する。現CEOのリチャード・ジョンソン氏は「後継の計画的な育成」を目的に9月1日付で退く。
ディロン氏は米マクドナルドのグローバルマーケティング責任者や、米ペプシコ傘下のクエーカー・フーズ社長を歴任した。消費者ビジネスの分野では35年以上の経験を持つ。アルタ・ビューティーのCEOとして13年から21年まで年平均16%の売上高成長率を達成し、時価総額を3倍に高めた。
フットロッカーは評価の高い女性実業家のディロン氏の手腕を取り入れ、新ビジネスの育成強化につなげる。新たな非常勤会長に女性で生え抜きのドナ・ヤング氏も指名した。ジョンソン氏の退任を期に、役員の女性比率が上がる見通しだ。
ジョンソン氏はCEOを9月で退任するが、23年1月末まで兼務する会長職を続ける。その後も同年4月まで、最高財務責任者(CFO)の上級顧問として会社の経営を支える。在籍約30年間でCEOやCFO、最高執行責任者(COO)の要職を担ってきただけに、新体制が円滑に立ち上がるまで同氏の経験やノウハウが欠かせないと判断した。
ジョンソン氏は21年に日本を拠点とする運動靴・衣料品販売アトモスを3億6000万ドル(約500億円)で買収するなど、積極的な投資戦略で知られる。21年度の売上高は約90億ドルとCEO在任7年間で事業規模を3割拡大した。影響力を振るってきた名物CEOが交代することで、フットロッカーの経営は名実ともに転機を迎える。
ジョンソン氏は自身について「店舗型のビジネスからデジタル時代に備えた事業モデルに切り替えてきた」と自社発表の文書で振り返った。次期CEOのディロン氏はこの基本路線を引き継ぐが、新たな販売戦略を打ち出して結果を残すことが期待されている。
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