勾配のきつい坂道やぬかるんだ地面はフィールドにつきもの。安心してキャンプを楽しむには、履いていく靴はかなり重要だ。選びのポイントとおすすめ品をご紹介していこう。
キャンプにはキャンプにふさわしい靴を。でも、デザイン性だって妥協したくない
ここ数年のライフスタイルの変容や自然回帰の流れを受け、キャンプ熱がますます高まりを見せる今。最近キャンプに行く頻度が増えた、という人も多いことだろう。そんな中、いざキャンプ場に行ってみると、地面のコンディションが思った以上に悪くて困った……という経験は誰しもあるはず。ぬかるんだ泥道に、アップダウンの激しい峠、小石だらけの河原etc.。しかし、そんな環境に臆することなく高いパフォーマンスを発揮し滞在を楽しいものにするためには、相棒とする靴を慎重に選ぶことが求められる。
一方、昨今のファッションシーンにおいては“アウトドア”が筆頭トレンドとなっている。さまざまなアイテムが着こなしに取り入れられているが、なかでもその傾向が顕著といえるのが足元だ。街ではアウトドア出自のモデルが巷を賑わせ、普段の生活から頻繁に使用されている。もちろん機能面においても申し分なく、そのままアウトドアシーンでも使用できる秀作が多い。せっかくキャンプに履いていくなら、街でも山でも活躍を見せるそうした才色兼備の一足を選んでみてはいかがだろう。
キャンプに履いていきたい靴。失敗しない選び方のポイントは?
ひとえにアウトドア系のシューズといっても、トレッキングブーツやアルパインシューズ、さらにはトレイルランニング系、ハイキング系、ハンティング系など実に多彩。フェスや軽めのキャンプなどを想定するならサンダルも選択肢のひとつとして挙がってくる。では実際、キャンプシーンではどんなアイテムが理想的なのだろうか。選びのポイントを3つに絞って解説しよう。
ポイント1
ローカットかハイカットか
アウトドアシューズを選ぶ際、まず押さえたいのがローカットなのかハイカットなのか、という点。前者は軽量で足首の自由が利きやすく、抜群の機動力を発揮してくれる。街の空気と足並みを揃えられるモデルも比較的多いため、ハイキングやウォーキング、キャンプなどに向いているといえる。足首を覆う後者は、なんといっても安心感がある。しっかり足首を固定してくれるため悪路でも心強く、ハードな登山などにもうってつけ。また、石がゴロゴロ転がっている河原でのキャンプ時などにも活躍してくれること請け合いだ。
ポイント2
防水性を搭載しているかどうか
キャンプフィールドでは、水への対応策は必要不可欠だ。わかりやすい例が天候。山の天気は変わりやすいとよくいわれるが、雲一つない晴れの日……と思っていたら急に崩れてきてしまう、といったことがよくある。また、川、池、湖など、水辺のシーンに相対することも多い。木々に囲まれ日が届かない山道は、雨天後に水が乾ききらずぬかるんでいるケースが大半だ。となれば、足元は水に強い一足がなにかと便利である。
ポイント3
夏場なら「通気性」、冬場なら「保温性」が高いものを
続いて、外気温への対応策も考慮すべきだろう。夏であれば熱中症にはことさら気をつけなければならない。そのため足元は、より通気性の良い一足を選ぶのがベター。足首は、冷やすと体温が下がりやすい部位であるため、シューズ選びにはことさら気を使いたい。逆に、冬なら当然保温性がキーとなる。防風性に優れ、内部の温度を外へ逃がさず、ホカホカのライナーなどがあしらわれた一足が好都合といえる。
ちなみに……
アウトドア用とテント周り用で履き分けるのもアリ
なにも外での活動ばかりがアウトドアではない。当然、日よけのタープや宿泊用のテントを設営し、中と外を行ったり来たりするケースも頻繁におこる。“外履き”はこれまでに述べてきたような、外的要因に左右されない機能面を重視したいところだが、“内履き”となるとまた話は違ってくる。ベースキャンプで活躍する一足を選びたいのであれば、脱ぎ履きがしやすく、窮屈感がないうえに開放感に浸れるモノがなにかと助かるだろう。
おしゃれにキャンプを楽しもう。足元を彩るキャンプで履きたい16足
さあ、いよいよ具体的なアイテム選び。やはり、アウトドアを熟知した優秀なブランドからリリースされたアイテムは、押さえるべきポイントをよく心得ていて、さらにはバリエーションも多数展開。そこで、タイトルにもある“山でも街でも”という視点から、使えるキャンプ靴をご紹介したい。
▼キャンプ中のアウトドアアクティビティにはこんな靴がおすすめ
アウトドアフィールドのあらゆるシーンに対応すべく、考え抜かれ、培われてきた機能性は時代を経るほどに精度を増している。それとともに評価を高めているのは、街でも使えそうなルックスにほかならない。ブランドとしての知名度のみならず大人っぽさを漂わせるシックなものまで多数スタンバイしているので、それらを手にすれば周囲からも一目置かれること必至だ。
アイテム1
『パラブーツ』アヴォリアーズ
「シャンボード」や「ミカエル」に代表されるように、端正な革靴のイメージが強い『パラブーツ』だが、名声を得るきっかけとなったのは登山靴。その名残はこちらからも伝わってくる。原型となったのはブランドの運営元が展開していた登山靴の「ガリビエ」。一度は廃盤になった伝説のモデルの復活版がこの「アヴォリアーズ」だ。定番モデルの「シャンボード」の木型を採用し、山靴ながらシャープなフォルムが街との親和性も匂わせる。
アイテム2
『ホカ オネオネ』スカイカハ ゴアテックス
アイテム名の由来は、強さとサポートを意味するマオリ語。その名の通り屈強にして、強い推進力も生む実に頼り甲斐のある一足である。ランを強力に助けるVIBRAMメガグリップアウトソールを搭載し、独自のRANGITMボトムフォームが優れた耐久性とクッショニングを提供。全身に纏ったゴアテックスの防水メンブレンにより、天候や路面の状況に関係なく上りはスピードに乗らせ、下りは楽に走ることができる。
アイテム3
『ビルケンシュトック』ジャクソン
『ビルケンシュトック』のサンダルはアウトドアシーンでも活躍必至だが、ブーツもまた頼りになる存在。表面に施したのは、撥水加工のワキシーヌバックレザー。縫製部分には水の浸入もケアすべく、ワックスコーティングを施す念の入れようである。ラバーソールは凹凸のある地面でも安心感を覚えるほど丈夫で、取り外しも可能なコルク製のインソールは履き心地の良さを担保する。
アイテム4
『ブランドストーン』サイドゴアショートブーツ
大自然に囲まれたオーストラリアのタスマニア島にて生まれたブランドだけに、アウトドアフィールドにおける対応策はよく考えられている。オイルを染み込ませることで撥水性を高めた革に加え、アッパーとソールを一体型にすることで水を徹底ガード。そのヒールは加水分解に強いTPU(熱可塑性ポリウレタン)を使い、内部には優れたクッション性を備えるXRD(高機能ウレタンフォーム)を搭載している。
アイテム5
『マムート』デュカン ロー ゴアテックス
160年以上の歴史を誇るスイスのアウトドアブランド『マムート』。その「デュカン」と聞けばついバックパックを想像しがちだが、こちらも侮れない。Flextron Technology、Georganic 3D Technology、およびVibram Litebaseといった最先端テクノロジーを存分に詰め込むことでハードな地形も難なく対応。サポート力、グリップ力、履き心地を向上させた。しかも、解剖学に基づいた靴型は、足へのフィッティングや疲労の軽減も実現している。
アイテム6
『イノヴェイト』フライロック345 ゴアテックス スニーカー
ゴアテックスを搭載した“飛ぶように軽い靴”という特徴からその名がついたこちらは、登場以降、大きな反響を呼んだ2006年バージョンの復刻版。軽量なローカットシューズゆえ自由な動きを可能にし、幅広設計から窮屈感は感じさせない。その重さはなんと、345g。そんな持ち前の長所を存分に生かしながら、さらにアッパーへコーデュラナイロンを起用したことで耐久性も高めている。
アイテム7
『アサヒシューズ』ウインブルドン
福岡県・久留米発のシューズメーカー『アサヒシューズ』。運動靴や作業靴などのパイオニア的存在として名高いが、キャンプで活躍するシューズもスタンバイしている。こちらがその「ウインブルドン」。防水設計に加え、かかとを包み込む形状のインソールやかかと部分を安定させるスタビライザー、夜道での使用も考慮した反射素材を採用するなど機能性十分。シンプルながら本格的なアウトドアデザインも秀逸だ。
アイテム8
『エルエルビーン』ビーン・ブーツ 6インチ
『エルエルビーン』のビーン・ブーツの歴史は古く、1912年まで遡る。しかも、誕生から100年以上が経過する今も、アメリカのメイン州にある自社工場にて作られている。アッパーに使用した高品質のグレインレザーは、雨や雪を弾き、丁寧かつ精巧に作られた足型は抜群のフィットを誘発。土踏まずへ入れたスチールの補強材が無類の安定感を実現し、チェーンパターンのアウトソールがしっかりと地面をつかむ。
▼テント内などでリラックスしたいときはこちらの靴で
アウトドアシーンで使うシューズは、総じて外での使用を想定したもの。ただ、タープやテントを設営し、その付近で食事や他愛もない会話などすることを考えた場合、イメージしているキャンプ靴ではやや不便さを感じるかもしれない。軽やかに動けてすこぶる楽。そんな1足が、リラックスしたいタープ内やテント周辺には必要。例えば、こんな8足はいかがだろう。
アイテム9
『ザ・ノース・フェイス』ベースキャンプ モックシューズ
シューズでありながらもまるでサンダルのような気軽さこそ、シーンを熟知した『ザ・ノース・フェイス』の本領発揮。ストレスを感じさせない軽やかな履き心地、歩行を楽にするクッション性、さらには強度に優れるアッパーは、開放感と安心感を同時に得られる。また、そのクールな佇まいは、街にもしっかり馴染んでくれる。
アイテム10
『ダナー』ロストコーストミュール
アウトドアシーンに欠かせないブランドのひとつである『ダナー』。いの一番にブーツを思い浮かべる人は多いかもしれないが、質実剛健なその作りは、たとえブーツ以外のアイテムでもブレることはない。その代表格が「ロストコースト」シリーズだ。今季はヴァンライフから着想を得て製作され、サボタイプにありがちなホールド感は履き口に搭載したアリアプリーンによって解消。ビブラム メガグリップをソールに採用することでグリップ力を高めている。
アイテム11
『ジェリー』キャンプスリッポン
『ジェリー』のルーツは、ジェラルド・カニンハム夫妻がニューヨーク州ユティカにて設立したジェリー・マウンテニング社。歴史は古く半世紀以上にわたり、その実力は1963年にエベレスト登山隊の正規装備品としても採用されたほどである。今では、そんな確かなモノ作りをベースに、ストリートのテイストを織り交ぜたモデルも好評。こちらは、難燃素材を採用しているため、焚き火周りでの使用も安心だ。
アイテム12
『ビラボン』サーフキャンプモック
キャンプはなにも山だけとは限らない。最近ではビーチでのキャンプもひとつの選択肢として支持されている。それもあってか、1973年からボードショーツ作りに端を発し今では世界100か国以上で展開される王道サーフブランドからもこんな一足が。キルティング地のアッパーは日が落ちた後の底冷えにもしっかり対応する温もりを備え、通気性も良好。軽やかな履き心地は移動の自由をさらに後押しする。
アイテム13
『ノルディスク×サムソサムソ』ヘルモーズ ダウンシューズ スリッパ
北欧発のアウトドアブランド『ノルディスク』。そのテントは、アウトドア上級者の間でも質が高いとつとに有名である。そんなノウハウがあるからこそ、テントシューズも多くのキャンパーたちから好評。こちらは、ミニマルで着心地の良いウェアがウリのデンマークブランド、『サムソサムソ』との共作。屈強な作りと心地良さを表現した一足は、一度試してみる価値アリである。
アイテム14
『フラワーマウンテン』キャンプ
2015年デビューとまだまだ歴史は浅いものの、デザイナーの太田圭輔が手がけるシューズは、国内のみならず海外のバイヤーをも虜にした。まるでリカバリーシューズのようなゆとりのある最新木型を使用し、新開発の軽量なEVAソールが歩きやすさをフォロー。履き口に施されたリブ、ヒールにあしらったストレッチ入りの素材により、あらゆる動きにも瞬時に対応してくれる。
アイテム15
『ナイキ』ナイキ オフライン3.0 ミュール
ガチガチのアウトドアシューズから足を解き放ち、最高のリラックス感のもとテント周りで過ごすならこんな一足が理想的。その気持ち良さたるや、まるで足専用の寝袋に包まれているかのようだ。秘密は、柔らかく通気性にも優れるキルティング地とメッシュなどの素材を組み合わせた多層構造のアッパー。そして、踏み出すたび足裏をマッサージしてくれているようなリブ仕様のインソールだ。
アイテム16
『キーン』ハウザーⅡ
オレゴン州にて2003年に創業した『キーン』。その評価を高め、世界的フットウェアブランドとして確固たる地位へと押し上げたのは、紛れもなく“靴を超えたサンダル”である。だからか、サンダルのイメージが強いが、こちらはその評価を地でいくような一足かもしれない。マイクロフリースライニングが心地良いシューズではあるが、脱ぎ履き容易なサイドゴアデザインゆえサンダルのように気楽。リラックス感この上なしだ。
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