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奈良墨で染色 素朴な靴 - 読売新聞オンライン

 大和郡山市の靴製造会社7社でつくる革靴ブランド「KOTOKA(コトカ)」は、限定商品「奈良墨染和牛革KOTOKA」の販売を4月27日に始めた。奈良の靴産業の知名度アップを目指し、全国的な知名度を誇る奈良墨を染料に使ったラインアップで、ブランドの担当者は「墨だからこそ出せる素朴で温かい色合いに仕上がった」としている。(前川和弘)

 ブランドは、県が革靴の産地であることを知ってもらおうと2019年にスタート。販売する靴は奈良靴産業協同組合に所属する7社が共同で開発している。

 KOTOKAは素材そのものを生かそうと、可能な限り縫い合わせのない厚手の一枚革で作られている。そのため、シンプルで洗練されたデザインに仕上がっている。また、履き心地の良さと時間とともに増す革の味わいが特徴だ。

 奈良墨を使った限定商品も、奈良らしさを感じることができる革靴として誕生した。ブランドのディレクター鈴木理也さん(60)が「奈良だけにある何かを使って面白い靴を作れないか」と思案する中で、目をつけたのが長い歴史を持つ奈良墨だった。

 奈良市にある創業約150年の墨工房「錦光園」に協力を仰ぎ、昨年4月から本格的な開発に着手した。ただ、墨の色素は粒子が大きく革を染めるのに適しておらず、難航したという。

 何度も試行錯誤を重ねた結果、墨の製造工程に着目。ススとニカワ、菜種油を練った乾燥前の「練り墨」から、革を染めるのに十分な染料を確保し、スプレーによる複数回の吹き付けを可能にした。この作業で、色素を革の繊維になじませて色むらを少なくし、墨独特の色合いを生かした染色を実現した。

 限定商品では、革に和牛のものを使い、墨で染めた色味を生かすために縫い目を最低限にとどめている。鈴木さんは「墨で染めた他にない色合いと、日本的で奈良らしい簡素な美しさを履いて楽しんでほしい」と話している。

 デザインは4種類で、価格は税込み3万5200~3万8500円。店頭販売は行わず、専用サイト(https://nara-shoes.jp)で販売している。問い合わせは奈良靴産業協同組合(info@narakutu.or.jp)。

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