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未成年自殺増え36人 コロナ禍、長い在宅時間影響か 県内1〜7月、前年の1.5倍 - 東京新聞

18歳以下からの相談を受けるさいたまチャイルドライン。「自分なんかいなくなった方がいい」など悲痛な声が相次いで寄せられている=県内で(同ライン提供)

18歳以下からの相談を受けるさいたまチャイルドライン。「自分なんかいなくなった方がいい」など悲痛な声が相次いで寄せられている=県内で(同ライン提供)

 埼玉県内で今年、未成年者の自殺が増えている。新型コロナウイルスの感染拡大で在宅時間が長くなった影響で、ストレスや孤独を抱えやすくなっているという指摘もある。相談を受ける団体などは、大人が子どもの悩みに真剣に向き合うことが大切だと訴えている。(杉原雄介)

 厚生労働省のデータによると、一〜七月に県内で発見された自殺者数(暫定値)は六百五十一人と前年同期比で約5%増だが、うち二十歳未満は三十六人で、前年同期の二十四人から一・五倍に増えた。

 県疾病対策課の担当者は「コロナ禍で親も子も在宅時間が長くなり、互いにストレスがたまり関係が悪化しやすくなっているのでは」と推測する。子どもは友達と会って話す機会も減っており、気軽に相談できず孤立する傾向もあるとみている。

 対策として県は、七月から毎週日曜と月曜の午後九時〜翌午前六時、無料通信アプリ「ライン」で相談受け付けを開始。昨年十一月からは、「こころの健康相談統一ダイヤル」を二十四時間対応にした。

 公益財団法人「日本財団」(東京都港区)が四月、全国の二万人を対象に実施した自殺意識調査では、一年以内に自殺したいと考えたことがあると答えた割合は、全体で6・4%だったのに対し、十五〜十九歳では15・8%にのぼった。自殺を考えた未成年は、「連日コロナ関連ニュースを目にする」「感染した場合の恐怖感」などコロナ絡みでストレスを感じているケースが、成人より目立つとの結果も出た。

 日本財団の担当者は「大人が子どもに共感し、聞く姿勢を見せることが重要。不安を吐き出させてあげてほしい」と話す。コロナ情報との接し方についても「自分の身を守るにはどうすべきかなど、前向きな情報に注目するよう心掛けることが大切」と語った。

 一方、十八歳以下からの相談を月に六百〜七百件ほど受けているNPO法人「さいたまチャイルドライン」の太田久美(ひさみ)代表(69)は、コロナ禍以前から「自分の存在が家族に迷惑をかけている」「いなくなった方がいい」などの訴えが目立つ傾向があったと指摘。こうした訴えをする子どもたちは自分が劣っていると考えがちで、「親が、『よく頑張ったね』と結果より努力を褒めてあげることが必要」とアドバイスしている。

 ◇ 

 心が弱った時などに話を聞く行政や民間団体の電話相談は、次のとおり。

 「県こころの健康相談統一ダイヤル」=電0570(064)556=二十四時間、さいたま市は午前九時〜午後四時▽「さいたまチャイルドライン」=フリーダイヤル(0120)997777=年末年始を除く午後四〜九時▽「埼玉いのちの電話」=電048(645)4343=二十四時間

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