
放送時間は過去最長、開会式の視聴者は推計7千万人。新型コロナウイルスの感染急拡大と重なる時期に開かれた東京オリンピック(五輪)を、テレビはどう伝えたのか。
競技期間の3倍超の放送時間
「NHKさんとも協力して、国民のニーズに最大限応えられるように放送する。これは、民間放送会社の責務であると考えています」
五輪が開幕してまもない先月26日、日本テレビの杉山美邦(よしくに)社長は定例会見で、力を込めた。NHKと民放による競技の生中継や関連番組の放送時間の合計は今大会、過去最長だった。
NHKはBSプレミアム以外の、総合、Eテレ、BS1、BS4K、BS8Kの計5チャンネルで放送(総合とBS4Kは同時放送)。実際の放送時間の総計は確認中というが、計画通りなら、ニュースを挟みつつ生放送と録画で24時間放送したBS1をはじめ計1千時間を超え、地上波だけで430時間にのぼる。
民放在京キー局の5社は日ごとに、朝から午後11時前後の競技終了までの中継を流す局を決め、交代で放送。各局のBSも合わせると520時間超、地上波だけでも計450時間を超えた。地上波の放送はリオデジャネイロ大会では計約245時間、ロンドン五輪では約224時間で、倍近い。
NHKと日本民間放送連盟(民放連)で組織する「ジャパンコンソーシアム」は、2014年に今大会を含む18~24年の夏季・冬季4大会の国内向け放送権を計1100億円で獲得。各社が分担しながら放送した形だ。
競技が始まった7月21日から閉幕した8月8日までの19日間を時間に換算すると456時間。複数競技が同時に行われたとはいえ、衛星を含めるとその3倍超(計1520時間超)、地上波だけでも2倍近く(880時間超)の時間、五輪が流れたことになる。
視聴率も「想定を超え、注目の大きさは計り知れない」(民放幹部)ものとなった。調査会社ビデオリサーチによると、7月23日夜の開会式を生中継したNHK総合の世帯視聴率は56・4%(関東地区の速報値)。五輪開会式では1964年の東京大会の61・2%に次ぐ高さだった。同社が全国32地区分のデータを元にした推計では、視聴した人は7061万7千人に達した。
テレビが五輪を大量に放送する中、コロナ禍をはじめとした他の重要なニュースの報道は十分だったのか。
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五輪前にNHKの正籬(まさがき)聡放送総局長は「本当に伝えるべきことがあったら、ちゅうちょ無く応じなければいけないが、(五輪を)見に行きたくても行けない方々に伝えることも使命。命とくらしを守る報道との最適なバランスを探っていく」と述べていた。
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テレビは五輪をどう報じた 時間は過去最長、災害優先も - 朝日新聞デジタル
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