時間は最も重要なリソースですが、確保するのは簡単ではありません。
在宅勤務で生産性が上がったように感じた人は大勢いますが、在宅勤務では仕事時間が長くなっても効率は下がっていることがリサーチで判明しています。
それは、Eメール、メッセージ、ニュース記事、SNSなどで注意力が散漫になっているからです。
現在では、リアルイベントや対面会議などが戻りつつあり、それらが時間を取り合っています。また、職場とリモートのバランスを取る新しい「ハイブリッド」型勤務によって複雑さも増しています。
さらに従来の職場のような場所がなくなると、メールに迅速に返事をしたりして、同僚に気づいてもらい褒められるようなことをしなければというプレッシャーも。
そしてそのようなことに忙しくしていると、生産的に時間を使っているような気になってしまう可能性があります。
時間は、仕事において最も価値があり、二度と戻らないリソースです。
新しい事業を同時多発的に生み出すスタートアップを運営するために、我が社Wilbur Labsの共同創設者と私はノイズや注意を逸らすものから自分の時間を守り抜かなければなりません。
そこで、限られた時間を最大限活用する方法を、以下に紹介します。
1.「 目標設定」で、注意散漫のもとを排除
気を散らすもの、ノイズと思われるものを見つけ出すことは容易ではなく、また人によって異なります。その代わりに目標を設定することからはじめましょう。
ビジネスをはじめること、至急のプロジェクトを終えること、新しい仕事を見つけることなど、目標はいろいろあるでしょう。
気を散らすものとはそのようなコアな目標からあなたを遠ざけるものです。
目標達成するための時間を確保する方法について比較検討すれば、自分の気を散らすものが見えてくるはずです。たとえば、Eメールは自分がやるべきことではないように感じ始めるでしょう。
2. 定期的に生活を振り返る
目標を設定しても、自分が思っているほど多くの時間をそこに費やせないかもしれません。状況を確認するには、自分の時間の使い方を定期的に見直しましょう。
最低1週間、仕事で行なうあらゆるタスク、そしてそれぞれに費やす時間のリストを作成します。
ソフトウェアで自動化して追跡しても良し。重要なのは、無駄な時間を洗い出すことです。
3. SNSを賢く利用する
有意義な出会いを求めているのなら、ネットワーキングイベントに何時間も費やすのではなく、LinkedinやTwitterを利用しましょう。同じ課題に取り組んでいる人や競合他社の勤務経験のある人などを見つけられます。
まず20分ほど電話での会話を提案してみれば、正式にビデオ通話を設定したり、直接会うプレッシャーがなくなります。
時間を節約しながら、もっと頻繁に有意義なコミュニケーションを行なうことが可能になります。
4. 情報収集をSNSに頼りすぎない
SNSでは、クリックやいいねの数、他人のコメントによってフィードに表示されるコンテンツが決まります。
そのような無作為な人たちに自分の情報収集の幅を委ねるのではなく、専門家に頼りましょう。
自分が尊敬でき、学べる人たちが書いた本を読むのです(ちなみに私のお気に入りのビジネス作家の1人は、Intelの元CEOの故アンドルー・グローヴ氏です)。
また、情報源についても厳選するべきです。本や質の高い出版物は難易度が高いかもしれませんが、SNSの投稿についてはそうでもないでしょう。
5. 「ノー」に罪悪感は不要
Wilbur Labsの従業員ハンドブックには、「ノーと言うことは、イエスと言うよりも重要だ」と記されています。
気を散らすものに対してノーと言うことによってのみ、重要な目標にイエスと言い、それを実行することができるのです。
あなたの会社の従業員ハンドブックは書き直せないかもしれませんが、同僚と話し合うことはできます。
一緒に目標を設定し、優先順位の高いものの邪魔になるような新しいプロジェクトやタスクにノーと言うべき場合には、目標を再確認しあいましょう。
6. 注意散漫を減らす習慣・ルーティンを確立
生産性の鍵は意欲だと思われがちですが、確固たる習慣やルーティンを身につけることは意欲よりもはるかに重要だと思っています。
たとえば、自律心がありやる気満々の人でさえも、スマホアプリに気を取られてしまいます。スマホを手にするたびについチェックしてしまうアプリがあるはずです。
それは、モバイルブラウザやメールアプリのような主要アプリかもしれません。
その誘惑に抵抗する代わりにできることがあります。アプリを削除する、2ページ目に移動させる、または「気を散らすもの」というラベルをつけたフォルダーに入れたりすることを習慣にできます。
7. 他人のしていることに惑わされない
昨年、当社がスタートアップの失敗について起業家らを調査したところ、失敗の原因は競合他社だと言った人はほとんどいませんでした。
スタートアップや忙しい職場で働いていても、他人が何をしているかを監視したり、自分を他人と比べたりして時間を無駄にするのはやめましょう。
その時間は、他人よりも優れた顧客サービスを提供したり、自分の目標に向かって前進することに使いましょう。
さて、この記事を読んだ時間は無駄だったでしょうか。自分の時間を確保するために家にこもっているように提案しているのではないということは、はっきり言っておきたいと思います。
外に出ましょう。楽しんだり人と交流したり、遊ぶ時間を持ちましょう。そして仕事をする時には、自分の時間の価値に高い基準を設けてください。
重要なことにフォーカスすれば、成果を上げて、パンデミック中にできなかったことをやる時間を捻出することができるでしょう。
この記事を読んでも行動に移さなければ、今日の数分が無駄になってしまいます。この数分を取り戻すことはできません。
皆さんが新しい目標を決めて、気を散らすものから目標達成のために時間を守り抜けるようになることを願っています。
Source: The Economist
Originally published by Fast Company [原文]
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