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藤井将棋「弱点見えない」 対局の時間配分も巧みに - 時事通信ニュース

2021年07月04日07時19分

藤井聡太二冠について取材に答える将棋の谷川浩司九段=6月28日、東京都文京区

藤井聡太二冠について取材に答える将棋の谷川浩司九段=6月28日、東京都文京区

 渡辺明三冠(37)の挑戦を3連勝で退け、最年少で棋聖タイトルの防衛に成功した藤井聡太二冠(18)は人工知能(AI)を上回る読みの深さで話題になったが、今も進化を続けている。渡辺三冠、藤井二冠と同じく、かつて中学生でプロ棋士となり、一時代を築いた谷川浩司九段(59)は、「ますます弱点が見えなくなっている」と目を見張る。

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 棋戦は持ち時間が最後の1分になると「1分将棋」に入り、1分未満で指し続けなければならない。藤井二冠の進化を考える上で、谷川九段は棋聖戦第2局が印象に残った。
 この終盤で藤井二冠は巧みな時間配分と驚異的な粘りを見せた。中盤の65手目に17分を使った藤井二冠の持ち時間7分に対し、渡辺三冠は50分。「藤井さんには時間がなかったが、この後の指し方が力強かった」と谷川九段は振り返る。
 渡辺三冠が時間を消耗し、先に1分将棋に追い込まれる一方で、使った時間が1分未満なら減算されないため、藤井二冠は小刻みに指しつなぎ、171手の終局まで2分を残して勝ち切った。途中、持ち時間の残り3分を減らさず藤井二冠が攻め続けた局面はファンの間で「永遠の3分」と話題になった。
 谷川九段は「勝つことだけを考えれば、ペース配分して終盤に時間を残す方がいいが、序盤から深く考える経験は将来の蓄積となり財産となる」と指摘。終盤に強い藤井二冠ならではの、1分将棋への突入をいとわない戦い方を評価してきた。
 ところが、谷川九段によると、このところの藤井二冠は、棋聖戦第2局のように、最後までぎりぎり時間を残す戦い方が目立つようになっているという。「時間の使い方がうまくなっていて理想的だ。頭の体力、集中力がそれだけ続くんだなと感心した」
 藤井二冠はまだ十代。しかし、谷川九段は「18歳でここまで完成度の高い棋士はいない。25歳ぐらいまでは皆が強くなる。藤井さんもまだまだ伸びる」と天才棋士のさらなる成長を期待している。

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