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朝活 一日の始め 自分のための時間 在宅勤務で増加中 オンラインでも気軽に - 東京新聞

朝ヨガ講座で体を動かす参加者たち=名古屋市で

朝ヨガ講座で体を動かす参加者たち=名古屋市で

 新型コロナウイルスの影響で、多くの企業が在宅勤務を取り入れ始めて1年余り。不要になった朝の通勤時間を、趣味や勉強に充てる「朝活」への関心が高まっている。活動が習慣化すれば、早寝早起きなど生活のリズムが整い、健康面にも仕事面にも良い効果が期待できそうだ。(熊崎未奈)

 平日の午前七時、名古屋・久屋大通公園で、近くの英会話教室「ザ・セント」によるヨガ講座が始まった。「ワン、ツー、スリー。ブリーズ(息を吐いて)」。外国人講師から英語で指導を受けながら、参加者は五十分間、体を伸ばした。

 愛知県犬山市の会社員酒井有希さん(35)は、この日が二回目。昨年五月から十一月まで続いた在宅勤務では、仕事と私生活の切り替えに苦労した。効果があったのが仕事前のストレッチで、再び通勤するようになってからも続けていた。

 ヨガ講座には六月上旬、友人の勧めで初めて参加。講座に出る日は朝五時に起床する。午前十時の始業まで二時間ほど空くが、カフェで読書などをしてゆったり過ごす。「仕事前にリフレッシュできて、いいスタートが切れる」と笑顔だ。

 セイコーホールディングス(東京)が四〜五月、全国の十〜六十代の男女千二百人に聞いたところ、「一日を有意義に過ごすために朝の時間を大切にする」と答えた人は47・7%。コロナ禍前の二〇一九年から4・1ポイント増加。「朝活に取り組んでいる」という人も1・4ポイント増え、28%だった。

 長引くコロナ禍で、朝活の方法も変わりつつある。東京・渋谷で一七年に発足した会員制コミュニティー「朝渋(あさしぶ)」は、昨年十月から全ての活動をオンラインに切り替えた。月三千円で、読書や語学、筋トレなど六十以上ある「部活動」に、テレビ会議システムを通じて参加する。会員は全国に広がり、今はオンライン化前を上回る二百三十人だ。

 昨年四月から在宅勤務を続ける東京都の会社員女性(31)はほぼ毎日、仕事前の午前七時から一時間、読書や絵描きなどの部活動に参加している。「誰かと一緒なら、だらだらしない。家から気軽に参加できるので続けられる」と話す。

 読書量が増え仕事の企画につながったことも。夜遅くまで残業をすることもなくなった。「早く寝て心も体もリセットし、朝から集中して仕事ができている」と話す。

 朝活に関する著書がある業務改革コンサルタントの池田千恵さん(46)は「朝活は自分のためだけに使える大切な時間」と強調する。寝て起きた朝は、脳が「白紙の状態」になっており、何かに取り組んだり、考えごとをしたりするのに最適という。

 仕事を持つ人なら出勤や始業前、育児中の人なら子どもが起きるまでの三十分〜一時間を充てるといいという。つらいと続かないため「ためになることをやらないと」と気を張るのも駄目。「録画したドラマを見るといったことでいい。うれしい、楽しい、気持ちいいと感じる活動から始めて」と話す。

 早起きをしようと睡眠時間を削り、日中の活動に影響しては本末転倒だ。生活時間を朝型にすることが大切で、慣れるまでは日々の起床・就寝時間、日中に眠くなったかどうかを手帳などに記録し、最適な睡眠時間を把握するといい。

 「朝活は意思次第」と池田さん。「自分で決めた早起きを続けられれば達成感が得られ、自信も積み上がる。『私は私を大事にしている』と思えるようになって精神も安定する」と呼び掛ける。

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