
関根慎一
東京電力福島第一原発事故の避難指示が2017年に解除された福島県富岡町の下郡山地区で7日、地元の「ふるさと生産組合」が田植えを始めた。放射性物質の移行対策を入念に施しつつ、古里の復興を目ざして作付面積を年々増やし、今年は9ヘクタールに広がった。
この日は地元農家ら十数人が「天のつぶ」や「コシヒカリ」などの苗を植えた。組合長の渡辺康男さん(70)によると、組合員約10人のほとんどは同町出身だが帰還者はまだおらず、県内外の避難先や移転先から通いながら稲作に取り組む。13年に30アールから試験栽培を始め、18年に通常栽培に移行して4年目。今ではできた米の7~8割を地元JAに出荷できるようになった。
放射能対策では県が全量全袋検査を行うほか、組合も独自に抽出検査を実施。近くのため池から引く水の水質検査も行うなど「二重にも三重にも安全対策をしている」(渡辺さん)。これまでに基準値超の放射性物質を検出したことはないという。
渡辺さんは避難先の西郷村から車で2時間近くかけて通う。ガソリン代もかさむが「夏は緑のじゅうたん、秋は黄金色。古里の原風景を取り戻したい」と意気込んでいる。(関根慎一)
避難先から2時間かけ、田植えを 富岡町「秋は黄金色」 - 朝日新聞デジタル
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