コロナ禍がもたらした急激な社会変化のなか、新たな知識の習得や能力開発の必要性を感じている人は多いはず。一方、仕事や日々のタスクに追われ、学びの時間を作るのに難しさを感じているのではないでしょうか?
そんな中、効率的かつ効果的に学ぶ方法として注目を集めるのが動画を活用した学習法。
そこで今回お話を伺ったのは、昨年ユーザーが2倍以上増えた定額制動画学習サービス「グロービス学び放題」で講師を務める鳥潟幸志さん。「グロービス学び放題」の事業責任者でもあり、まさに「学びのプロ」とも呼べる存在です。
そんな鳥潟さんに、短時間で深い学びを得るための効率的な勉強法「4つのステップ」に加えて、「グロービス学び放題」を活かした学習法や人気の講座まで教えてもらいました。
なぜ学び続けることが重要なのか?
人生100年時代において、学びの重要性に注目が集まっています。それは、多くの人が未来のキャリア形成に危機感を感じはじめているから。
「会社がキャリアを保証してくれた時代から、自分でキャリアを形成する時代に変わりつつある」と鳥潟さん。
「2019年、働き方に象徴的な変化がありました。トヨタ自動車の豊田社長が“終身雇用を守っていくのは難しい”という話をしたのです。
これは、会社が個人の将来を保証するのではなく、“個人が自立してキャリアを作ってください”というメッセージと受け取れます」(鳥潟さん、以下同)
目の前の仕事に盲目的に取り組むだけでは、キャリアを前向きに作っていくのは厳しい。実際、多くの人がこのような危機感を持ち始めているのではないでしょうか?
だからこそ、「仕事以外の時間を使って学ぶ」ことの重要性に注目が集まっているとも言えます。
また、リモートワークの広がりにより、求められる能力や学び方も変わってきているのだそう。いわゆる「成果主義」がさらに強まり、個人の能力が試されはじめています。
雇用形態、評価形態、仕事の仕方がガラリと変わる中で、学び続けることがキャリア形成で非常に大きな意味を持ってきているのです。
動画学習が学びに最適な3つの理由
しかし、「時間がない」「本や参考書を読んでも頭に入ってこない」など、学び方が定まっていない人も多いのではないでしょうか?
そこでいま注目を集めているのが、冒頭でも触れた動画学習。鳥潟さんは、動画学習をおすすめする理由を3つ挙げています。
1. 理解しやすい
「活字に比べて、動画は理解しやすい」と鳥潟さん。
「テーマとして『ビジネス』を学ぶことは、硬くて理解しにくいとみなさんおっしゃいます。
しかし、動画は目と耳からの情報に加えて、動きやアニメーションが使われることと相まって、非常に頭に入りやすい。
アカウンティングや論理思考などすぐに頭に入らないような内容でも、動画なら本を読むよりもスッと入ってきます」
実際に、グロービス学び放題で動画学習を行なった受講生からも「難しいテーマでもわかりやすく学ぶことができた」という声があったそうです。
2. 日常生活に取り入れやすい
具体例を見ながら、活用シーンをイメージして学べるのも動画ならでは。
たとえば、コミュニケーション術を本で学んだとしても、実際どう行動に移したらいいのかわからないこともありますよね。
「動画の場合、たとえばプレゼンの良い例と悪い例、部下を成長させるコミュニケーションの良い例と悪い例など、再現VTRを使って表現できます。
経験がないことでも、 視覚的・動的に例が示されれば理解しやすいはずです」
3. 続けやすい
いざ学びを始めたとしても、時間が取れずに結局挫折してしまう…というのもありがちな話です。
「たとえばグロービス学び放題の場合、動画を1本約3分の長さで作っています。これは、人が集中して1本の動画を見続けられる時間です。
また、東京の場合だと電車の駅間の平均所要時間にもあたるので、移動時間や空き時間にも学ぶことができ、続けやすい仕組みになっています」
これなら、スキマ時間にちょっとだけ学ぶマイクロラーニングにも最適。裏を返せば、続けやすいということです。
「効率的な勉強法」4つのステップ
では、実際に学びのプロセスはどう進めたらいいのでしょうか? 鳥潟さんの実践する効率的な勉強法を教えてもらいました。
1. なぜ学ぶのか?(目的の設定)
「学び」と言うと、多くの人がなんとなくインプットからはじめがちと鳥潟さん。でも、実はそれはNG。目的の設定から始めなければなりません。
「本を読んでみたり、おすすめされたことをやってみることも大切なのですが、“何のために自分は学ぶのか?”という目的を最初に設定することが非常に重要です」
ただ、年齢や置かれた状況によって目的はさまざま。はたまた、学ぶ目的を見出せないという人もいるかもしれません。
鳥潟さんによると、目的設定は、短期・中期・長期の3つのフレームワークで解決できると言います。
理想は「どんな人生を送りたいか?」「どんなキャリアを送りたいか?」という長期の目標から逆算し、必要なスキルを学ぶこと。でも現実はそう簡単にはいきません。
そこでまず実践したいのが短期目標の設定です。
「長期の目標が見えない場合は、短期的な目標を考えてみましょう。
いま現場で起きている課題をいくつか挙げて、それを解決するために学ぶ。そのとき、翌日の仕事で学んだことを意識してみてください。
意識して日常を送るのと、学んだことがただ頭にある状態とでは、知識の定着度合いが変わってきます。
そして、短期の成功を繰り返すことで、学習サイクルが回り出します」
プレゼンの方法や資料作り、会話術など、普段から仕事の中で感じている小さな課題を見つけてみましょう。そこに学びの土台となる「目的」があるかもしれません。
すぐ教材に手を伸ばしてしまいがちですが、私たちの時間は有限であり、手当たり次第学ぶ時間は持ち合わせていません。だからこそ、日常の中から課題を見つけ、効率的に学びを深めていく必要があります。
2. 何を得たいのか?(インプット)
インプットは量と質の両軸に重きを置く必要があります。
量で重要なことは、本でも動画でも自分に合わないものには見切りをつけること。途中まで読んだ本でも、期待と違う場合はやめる勇気も大切です。インプットも詰め込めばいいわけではありません。
一方、質においては求める内容の明確化が大切とのこと。
「本を読んだり動画を見たりする前に、一行でいいから“何を得たいのか”を書き出してください。
“これを掴むためにこの動画を見るんだ”と決めることで、そこがフックとなって情報が頭の中に入ってくるようになります。これが効率的なインプットの方法だと思います」
また、鳥潟さんが実践しているのは「新しい情報と古い情報にどう向き合うか」。日頃ニュースやトレンドに目を向けることはもちろん、歴史ある作品も意図的に選んでいるのだそうです。
「トレンドを押さえることは大事ですが、人生に役立つ未来を見通す力は歴史のある本から学べます。
古くからある書籍は何十年、何千年もの間、読者から高く評価され続けています。時代が変わっても評価され続ける書籍にこそ、世の中の普遍的な原理原則が書かれていて、ビジネスにおいてもここをまず理解することが重要です。
グロービス学び放題で配信しているコンテンツは、古典で記載されるような普遍的な原理原則を現代風にアレンジしてわかりやすく学べるようにしています。
もちろん古典だけではなく、最新のビジネスナレッジまでカバーしているので、自分の興味関心に合わせて学んでいくことができます」
3. 記憶を定着させる(アウトプット)
鳥潟さんいわく、「人は1日で約7割忘れ、1週間で約8割忘れてしまう(エビングハウスの忘却曲線)」とのこと。だからこそ、意識して反復学習を重ねることで記憶として定着させる必要があるのです。
「私の場合、自分なりに大事だと思ったことを1枚の紙にまとめるようにしています。
あとは、社内の人に共有したり、実際に試しに仕事で使ってみるのも良いでしょう」
さらに、SNSの活用もおすすめとのこと。
「日常生活での活用とSNSとの相性はいいと思います。
私は、学んだことをFacebookで発信しているのですが、人からコメントや意見をもらったりして対話が深まっていくこともあります。
発信すると知識が身につくだけではなく、共通の興味を持つ人とつながっていけます。一緒に学ぶ仲間やつながりは、継続するためのモチベーションにも重要です」
実は、インプットよりも大切なのが、「日常生活で試してみる」という小さな変化を思い切って取り入れてみること。学びというとインプットに時間を使いたくなりますが、人は簡単に忘れてしまうもの。
それを防ぎ、記憶として定着させるには、日々の中でちょっとしたチャレンジを重ねるのが大切なのです。
4. 実践して教訓化(振り返り)
振り返りは、学び得た知識を蓄積させるために欠かせないステップです。鳥潟さんは、「学んだことがうまく成果につながらなかったとしても、振り返って教訓化することが大事」と言います。
「たとえば、学んだプレゼン術を自分で再現しても、うまくいかないことがあります。
そんなとき、自分なりに内省する。誰かにフィードバックをもらうのもよし。
結果的に、上手くいかなかった理由に気づき、それが教訓になります」
学んだ知識を日常で応用して終わりではなく、その結果を客観的に振り返ることが大切。一見地味な作業に見えますが、学びのプロセスにおいては必要です。
「終わった直後に30秒でもいいので、“だめだったな”“なんでだろう”と言語化して気づきを得ることを心がける。
これを続けていくと、自分の中で学びがたまっていくという感覚が生まれるはずです」
徹底的にルーティン化するから続く
では、毎日のスケジュールに組み込み、実践し続けていくにはどうすればいいのでしょうか?
鳥潟さんは、「年始に立てた1年の計画を3カ月単位に分けたうえで、毎日のルーティンに落とし込むことを大事にしている」と言います。
「まず、朝起きたら瞑想をしています。その後1日のスケジュールを立て、英語のリスニングをしてから、30分~1時間ほど読書をします。7時前後になると子どもが起きてくるので、8時に学校へ送り出すまで家族と時間を過ごします。
8時からの40分間は、オーディオブックなどを使って音声で学びながら犬の散歩。9時からは30分間英語学習を行ない、9時30分から始業です」
ここまで多くの予定を入れていると一見大変そうに見えますが、意外なことに「苦痛ではありません」と鳥潟さん。
その理由は、考えずにやれるようにしているから。生活習慣と学びはワンセットとして考えており、やるかやらないかを悩むことすらしません。
つまり、無意識のレベルでやれるところまで、生活に落とし込んでいるのです。
「自分のライフスタイルの中に学びを埋め込んでいく意識を持ちましょう。
移動時間、寝る前、朝起きたときの30分。そこに学びを必須でくっつけるのがポイントだと思います」
スマホで3分。スキマ時間を学びに変える
鳥潟さんから学んだ勉強法を日常に取り入れるツールとしてぴったりなのが、学びやすさ・わかりやすさに力を入れている「グロービス学び放題」。
グロービス学び放題は、移動やコーヒーを淹れるようなちょっとしたスキマ時間に、スマホがあればいつでもどこでも学べるよう、1本あたり約3分の動画で構成されているのがうれしいポイント。
また、鳥潟さんによれば、受講者のコース修了率は平均して90%以上なのだとか。この結果から、その続けやすさがわかります。「なかなか学びが続かない」「学ぶ時間がない」という人も、一度は試してみる価値があるはず。
料金も、月に換算すれば1650円(年間プランで1万9800円・税込)というビジネス書1冊分の金額なので手軽に始められそうです。
グロービス学び放題で人気を集める講座は?
グロービス学び放題では、ビジネスを体系的に学べる9つのカテゴリが用意されており、初級・中級・実践レベルのコースまで、自分に合ったものを選ぶことができます。
その中でも、人気講座のラインナップを教えてもらいました。
中でもクリティカル・シンキングは、全ての職種の方におすすめ。
鳥潟さんいわく、「論理的思考力は、マーケティングやファイナンスなどすべての専門知識のベースになるので、まず論理的思考を身につけたのち、専門的な科目を学んでいくのが効率的な進め方」とのこと。
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世の中にはさまざまな教材がありますが、鳥潟さんはグロービス学び放題の強みの1つは「ビジネスの原理原則を、動画学習を活かして短時間で深く学べること」と語ります。
27年間、ビジネスパーソンの育成一本に取り組んできたグロービス。コンテンツのひとつひとつには、その知見やビジネスにおける普遍的なナレッジが凝縮されています。
1~2年で使えなくなるものではなく、10年、20年以上先でも使える普遍的な知識こそ、グロービス学び放題で得られるもの。
「学んだことが無駄にならない。学んだ情報が古くならない」。
これこそ、もっとも生涯価値の高い学びではないでしょうか?
会社がキャリアを保証してくれる時代は終わりつつあり、良くも悪くも個人の時代になりつつあります。自分でキャリアを形成する時代に求められるのは、戦略的に学ぶ力と、学び続ける力。
今回鳥潟さんが教えてくれた動画学習のメリットを賢く取り入れながら4つのステップを日常に取り入れていけば、きっと不確実な未来を切り開く力を得られるはず。その中でもグロービス学び放題は、スマホの中で相棒のように、あなたの学びをサポートしてくれることでしょう。
お話を伺った方:鳥潟幸志さん
グロービス講師/「グロービス学び放題」事業リーダー
サイバーエージェントでインターネットマーケティングのコンサルタントとして、金融・旅行・サービス業のネットマーケティングを支援。その後、デジタル・PR会社のビルコム株式会社を共同創業。取締役COOとして、新規事業開発、海外支社マネジメント、営業、人事、オペレーション等、経営全般に10年間携わる。グロービス参画後は小売・グローバスチームに所属し、コンサルタントとして国内外での研修設計支援を行なう。現在は、社内のEdtech推進部門にて『グロービス学び放題』の事業リーダーを務める。
Source: グロービス学び放題(1, 2, 3, 4, 5, 6, 7)
短時間で深く学べる。「効率的な勉強法」4つのステップ - ライフハッカー[日本版]
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