
「公園にスイカが実った。採りに来ませんか」。8月下旬、ある男性から認定こども園「幸袋こども園」(福岡県飯塚市中)にこんな電話があった。育ててきたのは電話の主で、近くに住む長沢岩男さん(83)。新型コロナウイルスの影響で園の多くの行事が中止や規模縮小となる中、園児たちは大喜びで収穫に向かった。そのスイカには、思わぬ偶然が重なっていたかもしれない-。
10年以上前から地域を清掃したり、公園に花を植えたりしている長沢さん。今年5月ごろ、公園の草むしりをしていた時、植えた覚えのないスイカの芽を見つけた。「よくここに遊びに来る園の子どもたちに見せるために育てよう」。そう思い、長沢さんは水やりなどを始めた。偶然、雄花と雌花が同時に咲いたとき、手作業で受粉。その後も成長を見守った。
園では毎年夏、畑に実ったスイカでスイカ割りをしている。全園児が声援を送る中、目隠しをした年長児が竹の棒を思い切り振り下ろし、大いに盛り上がる。だが今年は、密集を避けるため中止していた。
長沢さんから園に連絡が入ったとき、村島京子園長は、とっさに思ったという。「もしかしたら去年落ちた種から自然に芽が出たのかも」。園によると、公園横には昨年まで旧園舎があった。園児たちは中庭でスイカを割り、種を飛ばして遊んでいた。「たった一つの芽を大切に育ててくださっていたなんて全く知らず、驚いた」。村島園長は感動した様子で振り返る。
実ったのは小玉スイカかと思いきやどんどん大きくなり、長沢さんはフェンスに巻き付いたつるから落ちないようネットで包んで針金で固定していた。収穫の日は8月27日、公園を訪れた年長児は「5、4、3-」とカウントダウン。教諭がハサミで針金をチョキっと切ると、バレーボールの一回りほど大きなスイカがぽとり。子どもたちから歓声が上がった。
収穫後、園児は長沢さんの自宅に行き、「育ててくれてありがとう」と伝えた。スイカは園で、約100等分されて配られた。今年はみんなで食べられないと思っていた園児たちは「色は赤と緑と黒だったよ。めっちゃおいしくて、一気に食べた」と笑顔を見せた。中には、種を大事そうにティッシュで包んで家に持ち帰る子もいたという。
後日、園から「とても甘かったですよ」との連絡を受けた長沢さん。「喜んでもらえてよかった。まさかあんなに大きくなるとは。育てたかいがあった」とほほえんだ。村島園長は「コロナで人との接触が減っている今、人の温かさに触れ、気持ちがほっと和みました」と感謝した。 (丸田みずほ)
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September 04, 2020 at 04:00AM
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園児とスイカ、驚きの縁 公園の隣から種飛ばし…自然に芽が? - 西日本新聞
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