ＧｏＴｏトラベル開始から１か月｜NHK 北海道のニュース - nhk.or.jp

政府の観光需要の喚起策「Ｇｏ Ｔｏトラベル」の開始から１か月余り。利用状況や道内の観光地への波及効果はどうなっているのか。道内有数の観光地、小樽で取材しました。

小樽市の「小樽堺町通り商店街」にはキャンペーンを利用して多くの観光客が訪れていました。
神奈川県から家族と訪れていた２０代の女性は「１か月前から旅行を計画していて、感染の状況をみながら来ました。宿泊費が割り引かれるのがとてもありがたいです」と話していました。
また、京都から来た２０代の男子大学生も「９月まで大学が休みなので来ました。またキャンペーンを使って次は九州方面にも足を伸ばしてみたいです」と話していました。
久しぶりに街ににぎわいが戻ったことについて、商店街にある土産店の店主は「春ごろに比べると人通りが格段に増えました。活気が戻りつつあることはうれしいですね」と話していました。
一方で、別の飲食店の店主は「人出は増えても売り上げは前年の半分程度にとどまっています」と話していました。

小樽運河沿いに建つホテルでは、「Ｇｏ Ｔｏトラベル」で訪れる宿泊客が増え、売り上げも上向いているということです。
このホテルによりますと、系列のもう１つの施設も合わせると、キャンペーンを利用した宿泊客は今月だけでおよそ１０００組にのぼり、来月以降の予約も順調に入っています。
またキャンペーン利用者の７割は、札幌市を中心とした道内からの観光客が占めているということです。
「ホテルソニア小樽」の土橋裕樹総支配人は、「今はまだＧｏ Ｔｏトラベルについて『よくわからない』といった問い合わせが多く、浸透していない課題があると感じますが、キャンペーンの対象が東京都民に拡大されたらさらに利用者が増えると期待しています」と話していました。

【「Ｇｏ Ｔｏ」今後は】
新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ観光需要を喚起しようと始まった「Ｇｏ Ｔｏトラベル」は、おおまかに言って旅行代金の３５％分が割り引きされる制度です。
赤羽国土交通大臣は先月２７日から今月２０日までにのべ４２０万人が利用したと公表しました。
都道府県別の内訳は明らかにされていませんが、道内の旅行会社によりますと、キャンペーンの開始後、登別温泉や層雲峡など札幌から比較的近場にある観光地を中心に毎日のように申し込みがあるということです。
今後の感染状況にもよりますが、キャンペーンの利用者は今後も増えていくとみられていて、実際に旅行会社には来月や再来月の予約の申し込みも次々と入っていると言うことです。
これを後押ししているのが来月以降、新たに発行される「地域共通クーポン」です。
このクーポンは旅行代金の１５％相当を国が負担し、従来の割引制度と併せれば旅の半額が支援されることになります。
観光地には引き続き徹底した感染予防の対策が求められますが、深刻なまでに落ち込んだ景気の回復につながるのか、今後のキャンペーンの利用状況に注目が集まりそうです。

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