息子が幼稚園児だった頃の出来事を描いた漫画「テントウムシ」がSNS上で話題となっています。長男が幼稚園の頃、竹馬に絵を描く親子工作に参加した母親。しかし、人一倍こだわりの強い長男は、2時間たっても1人で作業を続け、母親は思わずイライラを口に…という内容で「そこまで集中できるのがすごい」「いい先生ですね」「心が温かくなりました」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。 【漫画】本編を読む
「これが普通」という固定観念から…
この漫画を描いたのは、13歳、11歳、3歳の3兄弟を育てる主婦の、えつ（ペンネーム）さん（46）です。インスタグラムでは、息子たちの育児エッセー漫画を中心に発表しています。 Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。 えつさん「短大の美術科を卒業後、趣味で漫画を描いていました。30歳で結婚してやめていましたが、第3子の育児絵日記をインスタグラムで描くために復活しました。約16年ぶりです」 Q.今回の漫画を描いたきっかけは。 えつさん「たまたま、庭にテントウムシがいたのがきっかけです。インスタグラムの育児絵日記アカウントでお見かけするお母さんたちは私より若い方ばかりなので、私の育児の経験を読んでいただくことで何か心に感じてもらえたらいいなと思いました。コメントとして残すと説教じみていて押し付けがましい気がしたので、漫画という形で自由に読んで感じてもらいたかったので…」 Q.この件に限らず、周囲を気にせず没頭してしまったエピソードはあったのですか。 えつさん「数多く、あらゆるシーンでありました。しかし、それが長男の特徴であり個性でした」 Q.1人残っている息子さんを見て、どのようなお気持ちだったのでしょうか。 えつさん「当時は、担任の先生やクラスのお友達に幾度となくご迷惑をかけていたので、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。協調性のない様子に不安と焦りも感じていました」 Q.先生の言葉を、どのように受け止めましたか。 えつさん「『こうであることが普通だ』と固定観念に縛られて、長男を叱りすぎていました。そして『性格や特徴を注意して矯正しようとすることは、人格の否定ではないか』と反省しました。足の数が何本でも、テントウムシはテントウムシだとハッとしました」 Q.これ以降、息子さんへの接し方は変化したのでしょうか。 えつさん「長男はマイペースなので変化はありませんでしたが、私の気持ちの持ちようは変わりました。長男の立場になって、どうしたらいいのか考えるようになりました。頭ごなしに叱っても効果はなく、私がイライラするだけでした。具体的には、タイマーを使って残り時間の“見える化”を試みたりしました」 Q.当時を振り返って、過去の自分にかけたい言葉や教えたいことはありますか。 えつさん「『そんなに叱らなくていいよ』です。1500グラム以下の極低出生体重児で3月の早生まれの長男が、一回り体の大きな同級生と同じペースで行動できなかったことは、考えてみれば当然でした。私は“小さく生んだ”ことへの罪悪感に似た気持ちから焦っていたのだと思います。 ちなみに小6の夏ごろ、急に大きくなり、お友達と同じような体格になりました。現在、長男は中学2年生で、部活や塾で友達に囲まれて楽しくやってます。相変わらず何時間も本を読み続けたり、没頭すると制御不能ですが（笑）」 Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。 えつさん「先生の言葉に感動してくださったり、長男の集中力の長さと長時間待った私へのねぎらいの言葉などを頂いたりしました」 Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。 えつさん「死産、早産、帝王切開、高齢出産、年の差3兄弟、私自身の病気、今は長男の反抗期などネタは盛りだくさんです。近眼の老眼で長時間描けないのがつらいので、いい眼鏡が欲しい！ 今後は末っ子が幼稚園に行く来年春までに、似顔絵屋さんにも挑戦したいです」
オトナンサー編集部
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July 23, 2020 at 05:10AM
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