沖縄県が1972年、戦後の米国統治から本土に復帰して、15日で48年となる。観光客数は近年、右肩上がりを続けてきたものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響で激減。2年後の復帰50年に向けて本格化する新たな沖縄振興計画の策定作業は、経済成長の前提が崩れたことで「マイナスからのスタート」を余儀なくされている。(寺垣はるか)
■「根幹が揺らぐ」
感染拡大防止のため県が県外在住者に来県自粛を求める異例の事態。航空機の減便の影響もあり、那覇空港の状況は一変した。多くの土産物店では休業が続き、店の棚に布がかけられたままだ。那覇市中心部は13日も人通りは少なかった。
県の経済政策を担当する富川盛武副知事は「これまで築き上げてきた沖縄経済の根幹が揺らぐ。10年、20年は後戻りしたのではないか」と指摘。「経済の相当な勢いを次の振興計画で生かすはずだったが、マイナスからの出発になる」と危機感を募らせる。
県は観光業を「沖縄のリーディング産業」と位置づける。観光客数は2012年度から増加を続け、18年度には1000万人を突破した。ハワイへの観光客数とほぼ同じ数で、本土復帰当時の約18倍に上る。しかし、コロナの影響で暗転。県によると、今年3月の観光客数は39万6300人で、前年の同じ月に比べて48万7700人(55・2%)減った。落ち込み数は本土復帰以来、最大という。
5月に入り、県内で新たな感染者は確認されていないが、来県自粛の要請は継続中だ。今後、まず経済回復を図る必要が生じている。
■所得は低いまま
沖縄振興計画は1972年度以降、10年ごとに策定され、現計画は第5次(2012~21年度)にあたる。その前半(12~16年度)の経済成長率は年平均3・0%で全国の1・7%を上回った。完全失業率は2・7%(19年)と、本土復帰以降で最も低い水準になっている。
一方、1人あたりの県民所得は227・3万円(16年度)。全国の約7割の水準にとどまり、最下位から脱しきれていない。現計画の最終年度の「展望値」として掲げた271万円にも程遠い。県の担当者は「例えば宿泊施設では、県産以外の食材を使うケースもあるほか、収入が十分でない非正規の従業員が多い。沖縄に落ちたお金が県民に回らない『ザル経済』になっている」と明かし、県民への還流を課題に挙げる。
■未来への道筋
次の振興計画は、本土復帰50年の22年度に決定される見込みだ。県は今後、策定作業を本格化させ、今年度内に素案をまとめる。その内容を経済界や大学、首長の代表らに議論してもらい、国の同意を得るスケジュールを描く。
富川副知事は「課題が山積しているが、観光の修復と沖縄が進むべき道しるべを掲げる。拡大を追い求めるシステムではなく、持続可能な発展の形を打ち出したい」と述べた。
◆沖縄振興計画=本土との格差是正や自立型経済の構築を目的に、沖縄振興特別措置法に基づいて10年ごとに策定されてきた。施策や特有の課題などを盛り込んでいる。策定主体は、現行の第5次計画から国でなく県になった。現計画の柱の一つは那覇空港の第2滑走路建設で、今年3月から運用が始まった。国の2019年度の沖縄振興予算は総額3010億円。
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May 14, 2020 at 05:30AM
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