ギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相は20日、6月から観光シーズンを再開したいとの意向を示した。6月15日からは季節営業のホテルに営業を認めるほか、7月には人気観光地行きの国際チャーター便も運航を再開させる方針。
ミツォタキス首相はテレビ演説で、「この夏を（新型コロナウイルスによる）危機の終章にしよう」と呼びかけた。
新型ウイルスの流行は、ギリシャ経済を支えている観光業を脅威にさらしている。欧州連合（EU）では先に観光相間協議が行われ、「欧州観光の迅速かつ完全な回復のためにあらゆる手を尽くす」ことで合意している。
欧州では新型ウイルスの感染拡大を抑えるための制限が徐々に緩和されている。ミツォタキス首相は、ギリシャはCOVID-19対策を通じて「安全で信頼性が高く、健康なパスポート」であることを示したと述べた。
また、「これは素晴らしい評価」であり、ギリシャは「あらゆるレジャー施設に感染防止の覆いを供給した。（中略）私たちはいつでもクセニオス・ゼウスの情熱に励まされている」と述べた。
ギリシャ神話の最高神ゼウスは、クセニア（もてなし）の神とも言われている。
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ギリシャこれまでのの感染者数は2850人、死者は166人。感染拡大を抑えていると評価されている。同国の人口は約1000万人。
ミツォタキス首相は、「健康面での戦いに勝ったように、経済での戦いにも勝つつもりだ」と話した。
観光業促進に向け、ギリシャ政府は交通機関にかかる物品税（VAT）を一時的に24％から13％に引き下げるとしている。
また、外国人観光客向けに新型ウイルス検査を提供する方針だが、渡航者全員が対象となるかは不透明だ。
ギリシャ政府は欧州各国と観光シーズンの棚上げについて協議を重ねてきた。ブルガリアのボイコ・ボリソフ首相は19日、ギリシャとセルビアから家族旅行および出張でやってくるCOVID-19の症状のみられない渡航者について、6月1日から入国後の隔離を行わないと発表した。
ブルガリア外務省はまた、6月15日からは3カ国間ですべての渡航者にこの措置を拡大するとしている。
イタリアは20日、6月3日にすべての空港で国際線と国内線の運航を再開すると発表。同国ではこの日、665人の感染者と161人の死者が報告されているが、集中治療を受けているCOVID-19患者は676人に減っている。
一方スロヴェニアでは、国内旅行を推進するために国民1人当たり200ユーロ（約2万4000円）相当の旅行券を支給するとしている。
欧州のその他の状況は？
EU各国は、観光業界の再建に向けて段階的に加盟国の国境を開放していく計画におおむね同意している。
この計画ではまずは季節労働者の国境を越えた移動を認め、それからウイルスを同程度封じ込めている国同士の国境を開放し、最後にEU域内のすべての国境を開放する。
また、衛生管理や社会的距離を取ること、無差別を計画の主軸に置いている。
欧州委員会はさらに、加盟各国の制限や対策をリアルタイムで把握できるウェブサイトを立ち上げる予定だ。
オーストリア、ブルガリア、クロアチア、キプロス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、マルタ、ポルトガル、スロヴェニア、スペインの11カ国は18日、新型ウイルスの感染リスクを最小限に食い止めながらも国境を開放するための合意を結んだ。
合意した国同士では渡航者に隔離を行わず、安全に帰国させることが確認された。
（英語記事 Greece to start tourist season in mid-June）
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May 21, 2020 at 12:12PM
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