Search

麻生財務大臣 現金給付「個別に調べないといけない。手間がかかる」給付が遅い原因は「選別主義のワナ」(藤田孝典) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース

麻生財務大臣 現金給付「様々な要素入れるとものすごく時間がかかる」

4月14日、麻生財務大臣が緊急経済対策で給付する現金30万円の対象についてコメントしている。

「いったい誰に配るのか」が内部でまだ議論されており、対象範囲拡大の声も根強いようである。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で収入が減った世帯への30万円の現金給付をめぐって、麻生財務大臣は世帯主以外の収入が減少した世帯にも給付できるよう給付対象を広げることについて、慎重な考えを示しました。

政府は経済対策の柱となっている30万円の現金給付をめぐって、世帯主以外の収入が減少した世帯にも給付できるよう対象を広げる検討を進めていますが、これについて麻生財務大臣は次のように述べました。

「スピードを大事にされるんだったら、世帯主をやらないと、奥さんの稼ぎの方が旦那の稼ぎより大きいという家もあるんじゃないの。個別にやり始めたらスピードは間に合いませんよ」(麻生太郎財務相)

麻生大臣は、「自治体が個別に調べないといけないので、手間がかかる」として、給付対象の拡大には慎重な考えを示しました。

そのうえで、「色々な要素を入れて制度を作り上げるには、ものすごく時間がかかる」と制度設計の難しさを強調しました。

出典:麻生大臣、個別の現金給付は「スピード間に合わない」4月15日 TBS

現行案では30万円の給付対象は世帯主であり、非課税世帯まで収入が激減した世帯などを対象に収入減少を証明する形での給付を検討しているそうだ。

しかし、この給付対象をめぐって議論が続いている。つまり、その給付対象でいいのか、といういつも通りの議論だ。

世帯主以外の収入が減少した世帯にも給付できるよう対象を広げる検討も続き、それゆえに麻生財務大臣は慎重な姿勢を示す。 

政府が陥っている現金給付の「選別主義のワナ」

もうここまで給付対象の選別に議論が及ぶと収拾はつかなくなるし、どのような対象範囲に決定されたとしても不満は巻き起こる

すでに30万円の現金給付策は多くが不満を抱えるという意味で失敗している。

「なぜこの世帯に支給されてうちには支給されないのか」

「あっちに対象拡大するなら、こっちももらっていいはずだ」

「対象範囲にうちが含まれないのはおかしい」

「非課税世帯に近い収入減の世帯はどうするのか」

「30万円ではなく、20万円にしたら広く配布できるではないか」

「同じように税を払っているのに、もう少し損害が大きかったら支給されたのか」

もともと対象を選別しないような一律給付ではないのだから、制度設計上、恣意的な判断が入る。

そして「真に困っている人は誰か」「誰が一番困っているのか」を探し始めると、各個別の価値観や想いなども出てきて議論は紛糾する。

当然、それぞれの価値論であるので、それぞれが正義を有し、収拾もつかなくなる。

これを「選別主義のワナ」と呼びたい。

社会福祉では福祉対象論として、誰に給付をするべきか、という議論が盛んにおこなわれてきた歴史がある。

厳密に言えば、議論が複雑にあるが、大きく分けると「選別主義」と「普遍主義」という2つに分けられると言ってもいい。

例えば、生活保護制度は資産や所得、就労能力などを厳しく審査し、極めて狭い対象に限定して給付する「選別主義」であるし、社会福祉制度は全般的にそのような傾向が強い。

現在、出てきている緊急経済対策も対象を制限している場合、「選別主義」に該当し、対象が少なく厳しければ厳しいほど給付は行き渡らない。不平や不満も出てきやすい。

一方で、児童手当など、児童であるというだけで給付されるものは「普遍主義」に近い。

金額に対する不満はあるかもしれないが、不公平感は持ちにくいだろう。

「選別主義」は、誰かに現金給付をしようとすると必ず、そこから漏れる対象を生み、不公平感や不満が生じる。

一度、給付対象を決めても、こっちにも配れないか、あっちにも配れないか、という議論に陥る。

そして、あっちに配ることを決定しようものなら、こっちにも配るべきだ、という議論にもなる。

だから麻生財務大臣が「個別にやり始めたらスピードは間に合いませんよ…色々な要素を入れて制度を作り上げるには、ものすごく時間がかかる」とボヤかなければならない事態をすでに生んでいる。

すでにこの議論に陥った時点で、どのような決定がなされても、よい政策決定には至らない。失敗である。

ただ、現金給付を頑なに拒否していた麻生財務大臣にとっては、どのように現金給付をする方が良いのか、経験する機会になったと思う。

現在も追加の経済対策で、一律10万円の給付案が浮上している最中だ。

今度はまた誰にいくら、どのように配れば不平や不満が抑えられて失敗しなくて済むだろうか。

繰り返すが、対象を選別しない一律給付のことを「普遍主義」給付と呼ぶ。

所得制限もなく、世帯でもなく、国籍でも性別にも年齢にも関係なく、不平や不満が著しく少ない給付方法がある。

そこにどこまで次回以降の給付策を近づけていけるのか、政策の動向を注視いただきたい。

Let's block ads! (Why?)



"どのように" - Google ニュース
April 16, 2020 at 09:06AM
https://ift.tt/2RGwjpr

麻生財務大臣 現金給付「個別に調べないといけない。手間がかかる」給付が遅い原因は「選別主義のワナ」(藤田孝典) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
"どのように" - Google ニュース
https://ift.tt/39CBPzR
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

Bagikan Berita Ini

Related Posts :

0 Response to "麻生財務大臣 現金給付「個別に調べないといけない。手間がかかる」給付が遅い原因は「選別主義のワナ」(藤田孝典) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース"

Post a Comment

Powered by Blogger.