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原発検査「3密」不安 大飯、全国から続々1800人 - 中日新聞

大飯原発に向かうバスに乗り込む作業員ら=27日午前、福井県おおい町で(一部画像処理)

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 関西電力大飯原発3号機(福井県おおい町)で来月八日から定期検査が始まり、全国から約千八百人の作業員が集まる。従来なら多くの作業員で民宿や飲食店がにぎわう検査は地元経済が潤うとして歓迎の声が多かったが、今回は新型コロナウイルス感染拡大の真っただ中。地元住民から不安の声が上がっている。

 福井県では三月、福井市内の飲食店でクラスター(感染者集団)が発生して感染者が急増。二十八日現在、感染者数は計百二十二人で、人口十万人当たりの感染者数では一時、全国上位となった。

 おおい町を含め、原発が林立する嶺南地域の感染者はまだ一人。とはいえ、この地域は拠点病院が少なく、自治体側の危機感は強い。

 作業員の多くは地元の民宿を利用するが、相部屋で泊まったり、食堂で一度に食事を取ったりする。大飯原発が立地する大島半島で民宿を営む七十代男性は「感染が多発している場所も含めて全国から作業員が来る。一人でも発症したら町はパニックだ」と不安を漏らす。大島旅館組合の新谷正広組合長は「よく消毒し、密集にならないよう対策徹底を呼び掛ける」と話す。

 配管がひしめき、密閉空間の多い原発内部や、宿舎と原発を往復するバスの車内で感染拡大を心配する声もある。大飯原発では普段から社員や作業員らが約千八百人おり、定期検査で人の数は倍増。おおい町議の一人は「原発内に三千人も集まればまさに密集、密閉、密接だ」とこの時期に定期検査を行うことに疑問を投げ掛ける。

 これに対し関電は二十四日、同町議会に対し、作業員が町に入る二週間前から行動や体調をチェックし、異常があれば町に入れないと説明した。検査が順調に進めば七月中旬に発送電を再開できる予定で、「夏場の電源確保のため、この時期に定検を実施する必要がある」と強調する。

 県は感染拡大を受け、二十五日から県内の百業種に全面休業を要請。原発を含めた発電所は休業対象から外している。

 全国の原発では、感染の影響で工事が止まる例も出ている。九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)では十四日、テロ対策施設の建設工事に参加していたゼネコン大手、大林組社員の感染が判明。九電の社員を含め約三百人が出勤停止となった。

 原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「玄海原発の例を見ても、原発にウイルスが持ち込まれるリスクは高く、クラスターになる恐れもある」と指摘。「検査期間を延ばして『密』を避け、感染リスクを下げる方が得策だ」と話した。

 (今井智文)

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