地面の凹凸をダイレクトに感じる
抜群の足裏感覚
テスト当日は、濃い霧があたりを覆い、強風が絶え間なく吹き続けるあいにくの天候。残念だが現場の状況から宝剣岳のピークハントは危険と判断し、来た道を戻ることにした。
冒頭でも書いたように、登山における歩き方は、登りも下りもフラットフッティングが基本だ。ただ、このフラットフッティングは、登りでは難しくないが、下りになると途端に怖さを感じるのは筆者だけだろうか。特にアルパインブーツのようなソールの硬い登山靴は、足裏感覚に物足りなさを感じるものが多く、ソールのグリップ力を信頼できるようになるまで慣れが必要だと感じていた。
ただ、その考えは、エクイリビウムによってみごとに覆されることになる。今回のテストで最も魅力的に映ったのは、歩きやすさや足首回りの柔軟性とも違う、間違いなくこの足裏感覚といえる。
不思議なことに、ソールは力を込めても前足部がわずかに屈曲する程度の硬さなのに、足裏には着地したトレイルの起伏がダイレクトに伝わるのだ。それは岩場でも砂場でも同じことが言えて、地面の凹凸をじかに感じるため、特に下りでは非常に足を踏ん張りやすかった。
かといって、地面からの突き上げによるダメージが足裏に蓄積される様子は感じられず、疲れにくいのに足裏感覚は優れているという、かなり不思議な感覚があった。
この秘密は、「スプリングラグテック」というソール構造にあるのだろう。
エクイリビウムのソールパッケージは、アウトソールの一つひとつのラグまでミッドソールを流し込む特殊な構造で作られている。地面の凹凸は、個々のラグからミッドソールを介して、最終的に足裏へと伝達される。インナーソールに擬似的な地面の凹凸が現われて、その疑似的な凹凸を足裏で感じるようなイメージだ。
さらに、一つひとつのラグは地面の凹凸を感知するセンサーになっているともいえそうだ。ラグのひとつを親指で押してみると、割と簡単にグニッと沈み込んだ。この弾力性こそ、着地時の地面からの突き上げを和らげつつトレイルの凹凸を足裏へ伝える秘密である。
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