Q1
長期間保管しておく場合、
注意するべきことは?
革は放っておくと、油分が抜けてどんどん乾いていくもの。そのまま放置すれば、ひび割れの原因になることも。最低でも、1年に1回は靴磨きをして“潤い”と“栄養”を与えるようにしてください(あくまでも最低で、特に使用する機会が少ない靴に関してです)。また保管時には、シワを伸ばすためのシューツリーも忘れずに。
Q2
靴磨きの頻度はどの程度が理想?
日常的に着用しているレザーシューズは、だいたい8~10回履くとクリームとワックスの効果が落ちてきます。それくらいのタイミングで、きちんと磨き直すのが理想的なサイクルですね。
Q3
日頃からやっておいた方がいいケアはありますか?
一度しっかり磨き上げておけば、毎日のケアはブラッシングで軽く汚れやホコリを落とすだけで十分です。艶が薄れてきた場合はストッキング(Q5の7)などでさっと磨くと、残っているワックスが伸び光沢が復活しますよ。臭い対策としては、しまう前に消臭スプレーをかけ、そのまま乾燥させることをおすすめします。シューツリーを入れるのは、乾燥しきった翌日になってからがいいでしょう。
Q4
コードバン、スエード、エキゾチックレザーなどの素材には特別なケアが必要ですか?
コードバン
基本的には、使用する道具もメンテナンスの手順も他のスムースレザーと変わりません。ただし、起毛している表面をつぶしフラットにしている革の性質上、水にぬれると繊維が膨れて立ち上がり、シミのような状態を引き起こします。これを避けるためにも、防水機能を備えたワックスを多めに塗り込んであげるのが得策です。靴全体にワックスでコーティングの膜をつくるイメージで、豚毛ブラシを使ってまんべんなく塗るといいでしょう。
スエード
日常的なケアとしては馬毛ブラシでブラッシングをして、防水スプレーをかけるだけで大丈夫です。部分的に黒ずんでしまったら、ワイヤーブラシかゴムブラシで表面をこするように汚れを除去します。
エキゾチックレザー
こちらも基本的な工程はスムースレザーと同じですが、腑(うろこの部分)と腑の間の筋の部分はとてもデリケート。乾燥するとひび割れが起きてしまうので、クリームを塗るときはこの筋を重点的に。
Q5
最低限そろえておくべき道具は?
[imag、e id='899e57e9-e9d0-4ce0-87df-005753d67c0f' mediaId='f7e76e72-f0a9-448a-a8f8-931515f5acce' align='center' size='medium' share='false' caption='右端/豚毛ブラシ 右端から二番目/馬毛ブラシ 真ん中・上/クリーナー 真ん中・下/ワックス 左端から二番目・上/クリーム 左端から二番目・下/クロス 左端/ストッキング' expand='' crop='original'][/image]
馬毛ブラシ
靴磨きの一番最初に行うブラッシングで、靴全体についたホコリや土を落とすために使います。毛が細く柔らかいのが特徴で、革を傷つけることなくブラシをかけるのに適しています。コバやタンなど隙間のある部分は、ホコリがたまりやすいのでかき出すように念入りにブラッシングしてください。汚れを残したまま磨きに入ると、傷の原因になることもあります。
豚毛ブラシ
クリームを塗り込む際に使うブラシ。馬毛に比べると硬さとコシがあり、むらなくクリームを浸透させるなど、強めのブラッシングが必要な工程に向いています。毛にクリームの色がつくので、色が混ざらないように靴色ごとにブラシを用意するようにしましょう。指で直接塗り込む方法もありますが、豚毛ブラシなら指も汚れませんし、充分クリームを内部に行き届かせることも可能となります。まんべんなく塗り終えたら表面に浮いた余分なクリームを、乾拭きで取りましょう。
クリーナー
以前に塗ったクリームやワックスを落とすためのもので、メイク落としに使うクレンジングのような存在です。毎回しっかり落としきらなければ、その層がどんどん厚くなって見た目もボッテリとした印象になりかねません。さらに、それだけでなく革の硬化を招き、履き心地が損なわれ、ひどい時にはひび割れを引き起こしてしまうので忘れずに行いましょう。革を傷めないよう、クロスを利用して優しく拭いてください。
クロス
クリーナーを染み込ませ汚れを落とす際と、クリームの乾拭き時に使用します。いらなくなったTシャツでも代用が可能で、細長くカットしておけば指に巻きつけやすくなり便利です。
ワックス
クリームを塗ったあとに、鏡面磨きの工程で使うものです。絶対に必要な作業ではありませんが、これによって生まれる輝きは靴にエレガンスを加味させ、より一層魅力を引き立てます。またワックスはろうと油分でできているので、プロテクトと防水性を高めるためのケアとしても有用です。
クリーム
革に潤いと栄養を与える乳化性のクリーム。革の内部に浸透させることで水分と油分が補給され、乾燥していた革を柔らかく変化させます。これは履き心地の向上にもつながります。
ストッキング
ストッキングだけでなく、その中にスポンジを入れたものがいいでしょう。鏡面磨きにおける最後の仕上げとして、専用のムートングローブで軽く磨き上げるのがおすすめ。ですが、持っていない場合も多いので、その場合はこれでも代用できます。
Q6
靴磨きの際に気をつけるポイントはありますか?
靴の中のゴミを取り除く
意外と見落としがちなのが、靴の中の汚れです。ホコリや細かいゴミなどがつま先を中心に、思っている以上にたまっています。ペットを飼っている方は抜け毛がたまっていることも。ウェットティッシュなどで拭けば、簡単に取ることができるでしょう。
シワには念入りなケアを
シワが広がると、そこから革が割れ始める可能性が高まります。なので、特に丁寧なケアが必要となります。シワの方向に沿ってクリームをしっかり塗り込めば、革が水分と油分で満たされシワを軽減できるでしょう。余分なクリームは拭き取り、汚れにくくするのもポイント。
鏡面磨きは水の量に注意
クロスを使い、ワックスと水を交互に塗るのが鏡面磨きの基本的な手順です。水は革に染み込みやすいので、ほんの一滴を心掛けてください。ワックスがある程度のったらストッキングに持ち替えて、同様に一滴ずつ水をとりながら磨いて仕上げていきます。
質問に答えてくれたのは?
長谷川裕也さん/ブリフトアッシュ 代表
2004年から丸の内の路上で靴磨きを始め、2008年に靴磨き専門店ブリフトアッシュをオープン。2017年にロンドンで開催された靴磨き世界選手権では1位を獲得。近年の靴磨きブームの火付け役。
公式サイト
Text & Edit / Mikiya Otsuka
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