購入者が自由に部材選択
国内で最も歴史があるとされる安全靴専門メーカー青木安全靴製造(山形県河北町)が、意欲的に商品開発に取り組んでいる。4月には購入者が部材を選べる新たな靴をオンラインで販売し始めたほか、障害者向けの商品も拡充。培った技術で、国連の持続可能な開発目標(SDGs)にも掲げられた働きがいの向上、福祉の推進に貢献する。 部材を選べる靴は、独自の滑りにくい靴底に黒とベージュの2色を用意し、爪先を守る金属のプレートの有無とともに自由に組み合わせることができる。足首部分の牛革にはワニ革の模様を入れ、武骨さとカジュアル感を同時に楽しめるデザインにした。
新ブランド「アオキオリジン」として発売し、1足1万4900円。同社のオンラインショップ限定で取り扱っている。青木直哉常務(32)は「機能性とデザインを備えた靴として、作業現場だけでなくアウトドアやキャンプなど多くの場面で履いてもらいたい」と期待する。牛革の色など選択の幅を広げることも検討している。
障碍者向けの商品も拡充
障害者向け商品にも技術を生かす。足に障害がある人が使う装具に対応した大人用の靴(片足6600円)を4月に発売。靴の中に装具が入るよう幅や空間を広くし、歩きやすくするため滑りにくい靴底を採用するなどした。2019年から手がける子ども向けの靴の製造ノウハウを応用した。
女性の社会進出を踏まえた需要喚起も狙う。スニーカー型安全靴の人気商品「ZR-21」(オープン価格)には今春、ピンクを基調とした新色を用意。インスタグラムや小売店で投票を募り、最多票数だった色を選んだ。仙台、山形市など全国の作業服専門の小売店で取り扱う。
青木常務は「デザイン性を高めて安全靴を身近に感じてもらい、工事現場などだけでなく日常に潜む足元の危険から守る役割を果たしたい」と語る。
同社は1951年創業。年間約8万足を生産する。町がスリッパ生産量で日本一という背景もあり、国内生産を貫く。防衛省や警察庁などに装備品を納める一方、1000種以上の商品を開発して顧客の幅を広げてきた。
青木常務は「業界は安価な海外生産品に押されているが、安全性を追求しつつ、多彩なデザインを楽しんでもらうことで独自性を出したい」と話す。連絡先は青木安全靴製造0237(72)4115。
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