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スキマ時間か没入感か 二極分化で広がる音声メディア|NIKKEI STYLE - 日本経済新聞

新R25編集長の渡辺将基氏(左)とVoicyCEOの緒方憲太郎氏

音声プラットフォーム「Voicy(ボイシー)」を運営する緒方憲太郎さんがゲストとともに音声メディアの可能性をめぐって語り合う対談シリーズ。2回目のゲストは、若手ビジネスパーソン向けメディア「新R25」の編集長を務める渡辺将基さんだ。2018年から「Voicy(ボイシー)」で“声のブログ”を発信している渡辺さんが考えるネットメディアの活用法と「音声」の可能性とは――。

「広げる」のは弱いが、「ファン向け」に強い

緒方 渡辺さんが編集長をされている新R25は、テキストメディアから始まっていますが、ユーチューブ動画も人気ですよね。それに加えて3年くらい前から、僕らが運営している音声プラットフォームのボイシーも使ってくださっています。

渡辺 はい。ボイシーでは、18年から個人として発信しています。新R25制作の裏側を、リラックスして話すという使い方をしています。

最初はブログも検討したんですが、文章だとどうしても、成形しないと気が済まなくなっちゃうので気軽に始められない。動画は、無編集で発信するのは難しいので、これも手間がかかります。音声は、手軽に始められるのに、乗せられる情報量が多いのがいいなと思ったんです。

新R25やユーチューブ、ツイッターなど、複数のメディアで僕に接している人も多いはずなんですが、「ボイシー聴いてます」って言われることが多いです。距離が近く感じられるからなんでしょうか。

緒方 音声って、ほかのメディアに比べると、リスナーの反応がものすごくよく見えるというわけではないのに、「聞いてもらえてる感」「相手に届いている感」があるんですよね。

ツイッターを見るよりユーチューブを見るより、声を聴く方が発信者に対して「ファンです」と伝えたくなる何かがある。「同じだけの時間を共有している」という感じがするし、話し手の体調や気分まで伝わる。

渡辺 ファン向けとなると、いい意味でのクローズドな雰囲気と、発信頻度の高さが重要になるので、声はぴったりです。ただ、一気にフォロワーを広げるための構造はちょっと弱い。「広げる」部分はほかのメディアを活用しながら、同時に、音声を使ってファンとの関係性を強めていくといったイメージを描いています。

「すき間時間用」「どっぷりハマる用」で二極化

緒方 音声も、ファンを作るためには、ある程度のコンテンツの長さが必要ですよね。最近おもしろいと思うのは、ブログはどんどん短くなってきていて、写真だけが貼られるようなものが増えている。ブログがインスタ化しているんです。

一方、メディアプラットフォーム「note」の中でも人気があるものは、どんどん行数が長くなっています。コロナ禍で時間ができた人たちの間で、「好きな人にはどっぷりハマりたい」という志向が強くなっている気がします。

わずかなすき間時間にも楽しめる短いコンテンツと、大好きな人にどっぷりはまって楽しむためのコンテンツと、二極化してきている。

渡辺 両方ともニーズがあるので、どちらか「だけ」に寄っていくものではないんでしょうね。あとは各自が、「どのポジションを取るか」を考え、しっかり軸を持ったうえで選ぶ必要があると思います。

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