新型コロナウイルス感染の急拡大で、消防による救急搬送に影響が出ている。コロナ以外の患者を含めて、搬送先が決まらず救急車が現場に長時間とどまる事案が増えており、さいたま市では今月、決まるまでに10時間以上かかったケースもあった。(前田朋子)
市消防局救急課によると、今月1〜12日の救急搬送は2206件。平均滞在時間は22分で、いずれも最終的に搬送先が見つかったが、14日に自己診断キットを使ってコロナ陽性が判明した40代男性のケースでは、決まるまでに10時間10分かかった。
また、総務省消防庁が毎週まとめる「救急搬送困難事案」によると、さいたま市消防局では9〜15日、「医療機関への受け入れ照会回数4回以上で、現場滞在時間が30分以上」と定義される救急搬送困難事案が73件あった。
前週から1件増で、前々週からは16件増。6月下旬からは30件台で推移していたが、7月19日の週に63件と急増し、高止まりが続いている。また、73件のうち「コロナ疑い事案」は10件で、コロナ患者以外の搬送にも影響が広がっていることが分かる。
市消防局では、搬送時は県の救急医療情報システムを使い、県外も含めた市内外から受け入れ可能な医療機関をタブレット端末で探す。県の規定で、重症者を除き、6回照会しても搬送先が見つからない場合は指定の医療機関で一時的に受け入れる仕組みがあるが、8月に入り難しくなっているという。県の要請で一般病床をコロナ病床に転換する医療機関もあり、救急課の担当者は「その影響もあるのではないか」と推測する。
根本的な解決には受け皿となる病床不足の解消が必要だが、担当者は「急ぐ必要がある事例をしっかり搬送できるよう、体制を整える必要がある。少なくとも運べない状態をつくらないようにしたい」と説明。市は稼働中の救急車30台に加えて予備車11台も使うほか、消防部門に勤務する救急有資格者も乗車できるようにする。
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