お宅のエアコンは何年使っていますか? 一度買うと長く使い続ける家電だけに、買い替えのタイミングはいつなのか、なかなか迷うところですよね。突然壊れるとかなり困るものなので、そうなる前に買い替えたいと思っていても「まだ使えるからな~」と、そのタイミングを逃しがちです。
そこで今回はヨドバシカメラ 新宿西口本店 家電コンシェルジェチームの仲田大樹さんに、買い替えのタイミングから購入のポイント、注目の機能やおすすめ商品など、エアコンの最新事情について話を聞いてきました。
「買ってから10年経つ場合は買い替えの検討をしていただくといいと思います。10年経つ商品はメーカーがパーツを作らなくなっていて修理が難しいケースもありますし、省エネ性能もだいぶ変わってきます。そのまま使い続けるよりも新しいものに替えた方が安心ですし、電気代もお安く済みますから」(仲田さん)
部屋の広さや環境により最適なパワーを選ぶ
いざ買い替えようと思っても、エアコンの機種は多種多様で価格もずいぶん違います。いったいどんなことに気をつけてエアコンを選べばいいのでしょうか。
「一番重要なのは畳数です。つまり、どのくらいのパワーのものが最適か、ということですね。パワーに関しては、カタログはもちろん、売り場でもすべての商品に『畳数の目安』という形で表記されています。しかしこれはあくまで目安であって、家によってかなり違いがあります。例えば、最近建てた鉄筋の家などは気密性が高いため、冷房に関しては『14畳』と書いてあっても17畳くらいまでカバーできることが多い。つまり、少しパワーが小さいものでも問題ないのです。逆に木造の古い家は畳数以上のパワーが必要になる場合もあります」
使用する部屋の広さだけでなく建築素材、環境によっても最適なパワーは異なるので、迷った場合は売り場のスタッフに聞いて欲しいと仲田さん。さらにエアコンを暖房で使うかどうかも選びのポイントになるそうです。
「基本的にエアコンは冷房よりも暖房のほうが対応畳数が小さくなります。ですから暖房でも使うなら実際の畳数よりもひとつ上のタイプを買っていただくと安心です。冬は床暖房やパワーの強いヒーターを使っていて『エアコンは冷房のみ』という方も増えています。暖房として使わないならパワーの小さい機種でまかなえるので、コストダウンにもつながるわけです」
メーカーにより個性が異なるセンサー機能
最近はほとんどのメーカーが搭載している「センサー機能」。さまざまなものを検知して効率的に運転するため、省エネにも繋がる機能といえます。しかし検知するものはメーカーにより異なるので、そこも選ぶ際のポイントになる、と仲田さん。
「センサーというと、CMでもよく見る三菱の『ムーブアイ』を思い浮かべる人が多いと思いますが、実際に一番細かく見極めることができるセンサーだと思います。人の体でも手と腕の温度の違いまでしっかり見分けますし、2人いればそれぞれの体温を見分けて風を送る方向を決めたりしますから。暑がりと寒がりが同じ空間にいる場合も、細かい温度調整に悩まされずに済みます」
人の状態だけでなく、気密性や間取りなど住まいに合わせて予測をしたり、室温の変化を先読みして強さ調節をしたりと、最新のムーブアイはかなり優秀なようです。
「日立の上位機種は、人数や人の位置、人の周囲の温度などを検知する『くらしカメラ AI』の中に、家具の位置を見分けて気流をつくる『ものカメラ』の機能をプラス。家具の位置や形状を検知し、気流の通り道を見つけてくれるので冷風を効率よく届けてくれます」
センサー機能をはじめ、機械内部の自動洗浄やWi-Fi対応など、機能が盛りだくさんの最新機種。省エネ性能だけでなく、こういった個性も考慮してお部屋に合ったエアコンを選びましょう。
購入時の悩みのタネになる、よくある質問は?
エアコンは決して安い買い物ではないので、購入時は慎重になるものです。そこで売り場でお客様からよく聞かれる質問を聞いてみました。
「『繋がっている2部屋で使うなら、2部屋に1台と各部屋に1台ずつ、どちらがいいか』という質問はよくありますね。使い方にもよりますが、開放している状態が多い場合は1台の方が効率的です。パワーの小さいもの2台を開放した状態で使ってしまうと、それぞれの機械が限界以上のパワーで運転してしまうので、寿命が短くなる可能性があります。ですから大きいもの1台で、余裕を持って運転するのがおすすめ。閉めて使うことが多い場合は冷たい空気を遮断できるので、それぞれの部屋につけていただくのがいいと思います」
最近はエアコンと一緒に使って効率よく部屋を冷やすためのアイテムについてもよく聞かれるそうです。
「『空気をかき混ぜるためのサーキュレーターみたいなものを使った方がいい?』と聞かれることも多いです。たしかにサーキュレーターがあると、エアコンでは足りない風を補強してくれるので通常の設定温度より2~3度高くしてもしっかり涼しくなると言われています。結果的に電気代もお得になりますし、エアコンへの負担が軽減できるのもメリットです」
ついでに扇風機で代用できるか聞いてみたところ、空気を回すことを考えるならサーキュレーターがベターとのこと。扇風機はあくまで体に直接風を当てるものなので、やわらかく左右に広がる風を出すもの。逆にサーキュレーターは左右に広がらず、真っ直ぐに飛ぶ風を出すので効率よくお部屋を冷やせるそうです。
エアコン購入時にありがちな、失敗や誤解についても聞いてきました。
「エアコンはどのコンセントを使ってもいい、という誤解が多少あるようです。10年ほど前まではどのコンセントにつけてもよかったのですが、最近はエアコン専用のコンセントを使用する決まりがあります。基本的にはエアコンの近く、上の方にコンセントがあれば専用だと考えてもらって大丈夫ですが、例外もあるので注意しましょう。専用コンセントがない場合は増設の電気工事が必要になり、『知らなかったので余計な費用がかかってしまった』という声をよく聞くので、ご購入の際は事前に確認しておくといいですね」
最後に使用時の注意について聞いたところ、「シーズン前後の掃除が大切」とのこと。シーズン前には掃除する人も多いと思いますが、実はシーズン後のお手入れが肝心だと仲田さん。汚れが付いた状態でしばらく使わずにいるとカビの原因になるそうなので、シーズン後も忘れずにお掃除して、来年も涼しく、快適な夏を過ごしましょう。
なお、画像内にある価格は6月の取材時点、キャプションにある価格は7月2日現在のヨドバシ.com販売価格です。基本工事費は別途必要になります。
最新エアコンでおうち時間を快適に。トレンド機能や買替えのポイントは? - Impress Watch
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