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ロシアや中国からサイバー攻撃、トランプ・バイデン両陣営狙う 米マイクロソフトが警告 - BBCニュース

File photo of computer

米マイクロソフトは10日、ロシアや中国、イランとつながりのあるハッカーが、11月の米大統領選の候補者のドナルド・トランプ大統領(共和党)とジョー・バイデン前副大統領(民主党)の両陣営関係者らを標的にしていると明らかにした。

マイクロソフトによると、2016年米大統領選に向けた民主党の選挙キャンペーンに介入したとされるロシアのハッカーが、再び関与しているという。当時、民主党の大統領候補だったヒラリー・クリントン氏の陣営の電子メールがハッキングされ流出した。

マイクロソフトは「外国の活動グループが(大統領選を標的としたサイバー攻撃を)強化しているのは明らかだ」と述べた。

同社声明には、「ストロンチウム」と呼ばれるロシアのハッカー集団がこれまでに200以上の組織を標的に活動しており、その多くは米与党・共和党と野党・民主党に関連しているとある。

このサイバー攻撃犯たちがイギリスの政党も標的にしていたというが、マイクロソフトは政党名を明らかにしていない。

「ストロンチウム」は、ロシアの連邦軍参謀本部情報総局(GRU)に属しているとみられるサイバー攻撃部隊「ファンシーベアー」の名前でも知られている。

マイクロソフトの主張

「我々が2016年に確認したのと同様に、ストロンチウムは人々のログイン認証情報の収集、あるいは人々のアカウントへの不正アクセスを開始している。おそらく、情報収集あるいは混乱を引き起こすのを支援するためとみられる」と、マイクロソフトのトム・バート副社長(顧客セキュリティー・トラスト担当)は述べた。

同社は中国のハッカーがバイデン氏の選挙キャンペーンとつながりのある個人を標的としたサイバー攻撃を開始し、イランのハッカーがトランプ氏の選挙キャンペーンに関係する人々を標的とした活動を継続していたとした。

こうしたサイバー攻撃のほとんどは成功しておらず、投票システムを扱う団体を狙った攻撃も行われていないという。

「候補者や選挙キャンペーンスタッフだけでなく、彼らが重要な問題について助言を求めている人々も標的にしており、これまでの攻撃パターンと一致している」とバート氏は指摘した。

「これらの活動は、選挙が近づく中で、政治プロセスに関わる人や組織が無料あるいは低コストのセキュリティーツールを活用して、自分たちの身を守る必要性を浮き彫りにしている」

マイクロソフトの報告によると、中国のハッカー集団がバイデン陣営に関係する人々や、「かつてトランプ政権に関係していた著名人1人」の個人の電子メールアカウントへの攻撃を始めていた。

国際問題関係や学術機関、政策団体とつながりのある「著名な個人」も、中国のハッカー集団「ジルコニウム」の標的になっていたという。

イランのハッカー集団「フォスフォラス」は今年5月から6月までの間に、ホワイトハウス関係者やトランプ氏の選挙キャンペーンスタッフのアカウントへのアクセスを試みたものの、失敗に終わった。

マイクロソフトはロシアや中国、イランのハッカーの狙いを特定できなかった。米グーグルは今年6月、中国とイランが同様のサイバー攻撃を試みていたことを発見したと発表していた。

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トランプ陣営の広報担当シーア・マクドナルド氏は、「我々は大きな標的なので、選挙キャンペーンやスタッフに向けた悪意ある活動があっても驚きではない」と述べた。

一方のバイデン陣営の関係者は、「我々がこのような攻撃の標的になりうることは選挙キャンペーン開始当初から分かっていたし、その備えはしてある」と述べた。

トランプ政権の反応は

国土安全保障省サイバーセキュリティー・インフラセキュリティー庁のトップ、クリストファー・クレブス氏は、マイクロソフトの警告について、アメリカの情報機関がすでに指摘していたことを認めるかたちになったと述べた。

「(サイバー攻撃の標的には)投票インフラの維持あるいは管理に関係する者は1人も含まれておらず、選挙システムへの影響は確認されていないことを強調することが重要だ」

マイクロソフトの発表に先立ち、トランプ政権は10日、アメリカの政治プロセスへの干渉を企てたとしてロシア人1人を訴追した。

また米財務省は、同様の干渉行為をしたとされる、ロシア政府とつながりのあるウクライナのアンドレイ・デルカッチ議員に対し、制裁を科したと発表した。

デルカッチ氏はバイデン氏を中傷するために編集された音声を公開したとされる。この音声はトランプ氏によって大々的に取り上げられている。

デルカッチ氏は昨年12月、トランプ氏個人の顧問弁護士ルディ・ジュリアーニ氏と面会していた。

米情報機関の主張は

アメリカの情報機関は8月、中国やロシア、イランが11月の米大統領選に積極的に干渉しているとした。

ロシアがバイデン氏を「中傷」しようとしていたことや、中国とイランがトランプ氏の落選を望んでいたことが発覚したという。

また、イランがオンラインコンテンツを通じてアメリカの民主的な制度とトランプ氏を「弱体化」させようとしている可能性があると、米情報機関は警告した。

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