新型コロナウイルスの感染拡大で、県が休業や外出の自粛の要請を全面解除してから、八日で一カ月。ただ、今も「夜の街」に客の姿は少なく、飲食店や関連業者は苦しい経営状況に置かれたままだ。県内の感染者がまた増加する兆候が見えてきた。飲食店関係者は「どんどん店が倒れてしまう」と窮状を訴える。 (水谷エリナ)
夜になると、飲食店などのネオンが輝く水戸市泉町だが、人通りはまばら。その一角にあるスナック「粋族館(すいぞくかん)」の店内にはカウンターの七席と、L字形のソファが置かれている。
オーナーの忠(ちゅう)文夫さん(62)は、小まめにテーブルを消毒するなどできる限りの感染防止策を取っているが、「客は戻っていない。みんな困窮し、もうどうしようもない」と厳しい表情。ここで飲食店を四十年以上経営し、二〇一一年の東日本大震災も経験したが「これだけひどいのは初めて」と肩を落とす。
泉町仲通り商店会会長の肩書もあり、三月ごろから続く感染拡大で、顔なじみの飲食店主らから「客が来ない」「どうしたら」と相談の電話が相次いだ。
「先頭切って歩かないとみんな倒れてしまう」。飲食店をはじめ、タクシー・運転代行事業者などの関連業者への支援を県に求めるため、嘆願書をまとめることを決め、四月十五日から署名を集め始めた。
店主らの協力も得て、水戸や日立、ひたちなか、笠間などの近隣自治体を巡り、計七百二十二人分の署名を集め、五月二十八日に大井川和彦知事に、六月三日には水戸市の高橋靖市長にも要望書を提出した。
県や市からは「支援策を検討している」などと前向きに応じてもらえたという。忠さんは「少しでも役に立てたと思う。協力してくれた人にも感謝している」と話す。
県内では、新規感染者がゼロの日が続き、休業要請は段階的に解除。六月八日にはすべてが解除され、常連客がやや戻ってきたが、感染者がまた増え始めると、再び来なくなった。
「店と家庭で二重の生活がある。従業員の賃金を支払えない店もある。給付金でもまかなえない」と忠さん。四、五十軒以上が店をやめたり、やめる準備を進めたりするのを見聞きしているという。
忠さんは「まだこれからが大変。行政に真剣に行動してもらわないと飲食業に限らずどんどん倒れていってしまう。国や県で一軒もつぶさない政策をしてもらいたい」と支援を求める。
泉町近くの水戸市五軒町で居酒屋を経営する田中均一さん(71)も「自粛解除になってからも人は戻らない。家賃が安いところに移転した店もあると聞く」と話す。水戸の「夜の街」の存続に危機感を募らす。
忠さんらは商店会に加盟する店舗を救済するため、インターネット上で資金を募るクラウドファンディングも検討している。
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