賃貸物件の家賃には、間取りや設備の充実度とともに、交通アクセスも大きな影響を与えています。交通アクセスに関しては、実際に駅からどのくらいの範囲までなら許容できるのか、自分なりに決めておくといいでしょう。
今回は、駅から徒歩20分の距離を自転車で行き来することを前提に、駅から離れた物件のメリットとデメリットについて詳しく見ていきます。
駅徒歩20分はどのくらい？ 実際の距離と自転車移動にかかる時間
ほとんどの不動産情報には、駅から徒歩で移動した場合の所要時間が記載されており、交通アクセスの利便性を確かめることができます。
ここでは、駅徒歩20分の具体的な距離と、自転車で移動した場合のおおよその時間について見ていきましょう。
徒歩20分は約1.6km
不動産情報に徒歩の所要時間を記載する際には、「不動産の表示に関する公正競争規約および施行規則」によって、明確なルールが定められています。
それによれば、「1分間に80m」移動できるものとして表示することとなっているのです。
この速度は、実際に健康な女性がハイヒールを履いて歩いた平均の分数を基に決められたとされており、信号待ちなどは考慮されていません。
そのため、あくまで目安ではあるものの、駅から徒歩20分と記載されている場合には、約1.6kmの距離があると考えられます。
自転車を使えば十分に通える距離
国土技術研究センターのデータ（※）によると、自転車の平均速度は成人の場合、時速約15kmとされています。
これは、幹線道路において調査された速度であるため、住宅街などではもう少し速度が落ちると想定されます。また、道路の状況や天候、自転車の種類によっても、速度には多少の違いが生まれるでしょう。
そのため、あくまでも目安にはなりますが、時速15kmとして計算をすると、“自転車の速さ=250m/分” で、徒歩20分の距離（約1.6km）は自転車で６～7分ほどだといえるのです。
この結果から考えると、徒歩20分の距離は、自転車であればあまり不便だと感じずに通勤や通学ができる距離であることが分かります。
※参照：国土技術研究センター「日本の自転車交通の現状と改善への取り組み」
家賃が安いだけじゃない！ 駅から遠い物件のメリット
駅から遠い物件の魅力は、家賃が下がることに加え、実はそれ以外にも長所があります。ここでは賃料以外の面に目を向けてメリットを見ていきましょう。
静かで落ち着いた住環境が手に入りやすい
駅から遠い物件の魅力のひとつは、静かな住環境を確保しやすいところにあります。大通りや繁華街から離れた閑静な住宅街にある場合が多いため、騒音などを気にせず生活できるのです。
また、駅の近くと比べて敷地にゆとりがあり、物件同士の距離がある程度とれている場合も多いといえます。そのため、建物が密集することなく、緑豊かな環境や日当たりの良さが確保されやすいのです。
通勤・通学が運動習慣につながる
駅から離れている物件では、通勤や通学が自然とウォーキングやサイクリングの機会となります。そのため、日頃から運動不足になりがちな人でも、日常生活の一環で身体を動かす習慣が生まれるのです。
立地面のデメリットはあるものの、駅からの帰りに買い物を済ませるなど、工夫次第で不便な点を解消することもできます。
駅から離れた物件を選ぶ際に意識しておきたいポイント
駅から離れた物件には、立地の面で不便な点があるものの、住環境としてはさまざまな魅力があります。ここでは、駅から離れた物件を選ぶうえで目を向けるべきポイントについて見ていきましょう。
バスの利用が可能かどうかを検討する
物件を選ぶうえでは、バスの利用を想定しておくことが大切です。近くにバス停があり、主要な駅まで移動できるのであれば、生活するうえでそれほど不便に感じることは少ないでしょう。
たとえ普段は自転車を使う人でも、雨天のときにバスが利用できるのは便利です。気に入った物件が見つかったときには、近くのバス停の場所や運行の頻度を確かめておきましょう。
また、仕事などで帰りの時間が遅くなる日があるのであれば、バスの時刻表で最終の運行時間を調べておくことも大切です。
駅以外の施設にも目を向けておく
物件を選ぶうえでは、実生活の動線を想像してみることも大切なポイントです。
たとえば、駅の帰りにスーパーに立ち寄ることができたり、普段からよく足を運ぶお店が近くにあったりするのであれば、駅からの距離が苦にならない場合もあります。
さらに、よく使う移動手段によっても、物件の利便性は大きく変化します。普段から車を使うのであれば、駐車場の有無や駐車のしやすさなども考慮しておきましょう。
また、自転車を使うのであれば、物件だけではなく最寄り駅の駐輪場の場所や空きがあるかどうか、利用料金などについても調べておくと安心です。
LIFULL HOME’Sでは5分以内、7分以内、10分以内、15分以内、20分以内と細かい区切りで物件検索が可能です。
許容できる駅徒歩分数を基準に、家賃や専有面積だけでなく、バス・トイレ別、エアコンあり、2階以上など、さまざまな条件を加えて、気になる物件を見つけてください。
まとめ：駅から徒歩20分はやや遠いものの工夫次第でデメリットは解消できる
- 徒歩20分はおおよそ1.6kmの距離
- 自転車があれば、駅から徒歩20分の物件でもそれほど不便に感じない可能性がある
- 駅から遠い物件のメリットは落ち着いた住環境にある
- 駅から遠い物件を選ぶ際にはバス停の場所をチェックする
- 生活の動線や移動手段からも物件の利便性を確かめることが大切
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July 29, 2020 at 10:39AM
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