結婚式などお祝いの行事でもらった「祝儀袋」や、手紙、お年玉の際にもらった「ポチ袋」をどう扱ったらよいか分からない人も多いのではないでしょうか。お祝いでもらった物なので、不要になってもなかなか捨てられず、保管しているケースも多いと思いますが、捨てずにいると、たまる一方で収納場所に困りそうです。 祝儀袋やポチ袋は、どのように処分するのが適切なのでしょうか。また、再利用しても問題ないのでしょうか。和文化研究家で日本礼法教授の齊木由香さんに聞きました。
できれば、1年程度は保管を
Q.そもそも、祝儀袋に入れてお金を渡す習慣はどのように広がったのでしょうか。また、ポチ袋の由来は。 齊木さん「日本の贈答の起源は、神道で神様への奉納品を和紙で包んで供えたことに由来します。現在の祝儀袋の起源は鎌倉~室町時代の頃、宮中の儀式の礼法で定められた、金品を包む作法の一つ『金子包み』が原形といわれています。江戸時代には、武家社会にも慶弔の儀式が取り入れられ、贈答の習慣が広まりますが、贈答品といえば物品で、お金を贈ることは少なかったようです。 明治時代になると、銀行が設立され、全国にお札が流通するようになりました。中包みとして半紙でお金を包み、その上に和紙で表包みをして水引を結ぶ『祝儀袋』を使って贈答する習慣が広まり、現在へと受け継がれています。 ポチ袋とは、小さな祝儀袋の通称です。ポチ袋の『ポチ』は『点、小さいもの、少しだけ』という関西地方の方言に由来し、『点袋』ともいわれています。明治時代、旦那衆がひいきの芸者やお店の人に心付け(世話になる人に感謝の気持ちを示すために与える金銭や品物)を渡すときに使われたのが始まりといわれます。 大げさなご祝儀ではなく、少しばかりの心遣いを小袋にした『これっぽっち』という控えめな気持ちが『ポチ』になったといわれています。現在では、お年玉を渡すときだけでなく、大入り袋(寄席や劇場が満員になったり、営業成績が良かったりしたときに出演者や従業員に出す少額のご祝儀)として、また、旅館などの心付けとしてお渡しする際にも使われています」 Q.祝儀袋やポチ袋は、どのように処分するのが適切なのでしょうか。また、処分する際にやってはいけないことはありますか。 齊木さん「祝儀袋やポチ袋は、贈り手の祝いの気持ちが込められています。そのため、短くても3カ月、できれば1年程度は自宅で大切に保管し、相手の気持ちに寄り添うことが大切です。その後、自宅で捨てる場合は、きれいな布や奉書紙などで丁寧に包み、ごみ袋の中の一番上に置いて捨てるとよいでしょう。感謝の気持ちを持って処分することが大切です。 やってはいけないことは、人から頂いた後、中身を取り出してすぐにごみ箱へ捨てたり、祝儀袋やポチ袋の上からごみを無造作に入れて粗末にしたりすることです。これは、相手の気持ちを雑に扱ったり、踏みにじったりする行為で失礼なことです。 また、祝儀袋の内袋には、贈り手の住所や名前などが記載されています。そのまま捨てるのは、個人情報保護の観点からもやめましょう。必要な情報は芳名帳などに写しを取り、内袋はシュレッダーにかけるか、細かく刻んで処分しましょう。手放すのが名残惜しい場合は、写真に撮ってから処分するのも一つの方法です」 Q.寺や神社など、外部の施設に処分を依頼することは可能なのでしょうか。その場合、どのように処分されるケースが多いのですか。 齊木さん「寺社など外部の施設に処分を依頼することは可能です。しばらくは自宅で大切に保管をした後、縁起物であると考えて、寺社で『おたき上げ』をしてもらうのもよいでしょう。おたき上げとは、思いがこもっているものに礼を尽くして天界に返す儀式のことをいいます。 初詣の際、前年の古いお札やお守りと一緒に持ち込むのが一般的ですが、中には、常時処分を受け付けている寺社もありますので、区切りがついたときに寺社に相談をするとよいでしょう。お祝いの気持ちをいただいたことへの礼を尽くして浄化していただくと、気持ちよく処分することができます。 なお、『小正月』である1月15日前後に開催される『どんど焼き』では、お正月飾りやお守り以外の持ち込みをお断りしている寺社もありますので、ホームページで確認するか、事前に電話で問い合わせてみましょう」 Q.祝儀袋やポチ袋は再利用しても問題ないのでしょうか。それとも、再利用はしない方がいいのでしょうか。 齊木さん「昔は祝儀袋を使い回すことはタブーとされてきましたが、近年、『幸せを分け合う』『幸せのお裾分け』という意味で再利用が見直されています。しかし、これには条件があります。中包みや短冊は必ず変え、よれよれになったものは使わないでください。何より、祝儀を贈ってくれた相手、これから贈る相手の気持ちを酌んで、使い回しはいい思いをしないと感じた場合は新しいものを用意しましょう。相手に失礼にならない配慮が大切です。 個人的には、いただいた祝儀袋やポチ袋は自分用に、大切に使い回すことが最も適切と考えます。祝儀袋は上質な和紙にお祝いの絵柄が描かれ、水引も付いています。これは、もてなしの席にもリメークをして活用することができます。例えば、封筒と水引を分解してお箸袋の大きさに折り直します。その上から水引を掛けると、お祝いの席にもふさわしい特別感のある箸袋を作ることができます。また、厚みのある和紙はブックカバーにすることもできます。 水引も、リース(つるなどを輪にしたものにドライフラワーなどを付けた飾り)やしめ縄に付けるだけでかわいいインテリアになり、さまざまな工夫ができます。ポチ袋も大いに再利用できます。USBメモリーやSDカード、クリップ、切手などの収納袋として、また、ばんそうこうや薬など持ち歩く際にも重宝するほか、外出先でのジュエリーケースにもなります」 Q.祝儀袋やポチ袋など、お祝いのときにもらった物を処分するのに適切な時期、あるいは処分してはいけない時期はあるのでしょうか。 齊木さん「お祝いにもらった物を処分する適切な時期や処分してはいけない時期については、特に決まりはありません。ただ、信仰している宗派で何らかの決まりがあれば、その決まりに則した方がよいでしょう」
オトナンサー編集部
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June 30, 2020 at 04:13AM
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