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カスタマーサクセス視点から「カスタマーマーケティング」について考える - MarkeZine

カスタマーマーケティングのミッションとは?

 皆さんこんにちは、Sansanの山田ひさのりです。私は以前、Sansanのカスタマーサクセス部でカスタマーマーケティンググループを統括する立場でした。本連載は、カスタマーマーケティングを様々な視点から考察し、「カスタマーマーケティングを再定義しよう」という試みの一環です。今回は過去の私の経験を踏まえて、カスタマーサクセス視点からカスタマーマーケティングについて考えます。

カスタマーマーケティングという山は一つですが、登るためのルートは大きく二つ。今回は「カスタマーサクセスサイド」からのアプローチをご紹介します。
カスタマーマーケティングという山は一つですが、登るためのルートは大きく二つ(第2回記事より)。
今回は「カスタマーサクセスサイド」から考えていきます。

 本連載を始める前、私はカスタマーマーケティングとは「既存顧客に対するカスタマーサクセス主体のマーケティング活動である」との認識を持っていました。当時、私はカスタマーマーケティンググループに従事しており、既存顧客からのリード獲得および商談化をミッションとしていました。

 一般的にカスタマーマーケティングを語る場合、コミュニティを活用したリファラルの発生などにフォーカスが当たることも多いのですが、それらの活動も結局のところ、「既存顧客からの商談機会創出プロセスの一つ」というロジックで整理できるため、私が上記のミッションに疑問を抱くことはありませんでした。

「カスタマー”サクセス”マーケティング」の思想で定義を見直す

 本連載では、「カスタマーマーケティングはカスタマー“サクセス”マーケティングである」という新たな思想を検証しようとしています。このような思想に立った場合、これまでの考え方に新たな視点を持ち込むことができます。私の場合、以下の順序で思考が拡張されていきました。

1.カスタマーマーケティングの目的は顧客のサクセスの後押しである
2.その目的に至ることをゴールにした場合、ハイタッチ~テックタッチなどのタッチテクニックは単なる手法論と整理される
3.カスタマーマーケティングの対象は既存顧客に限らないが、「サクセス顧客⊂既存顧客(部分集合)」であるため、マーケターは顧客の成功体験に精通している必要がある
4.顧客のサクセスを中心に考えたマーケティングを展開する場合、成功体験を持ったインフルエンサーの協力を得るという発想に行き着き、アドボケイトとバイラリティが重要になる

 上記の思考プロセスを整理すると、ポイントは以下の3点に集約されます。

・展開対象は既存顧客に限らない
・正しい施策を打つために、顧客のサクセスに精通する必要がある
・(新規・既存を問わず)サクセスイメージを共有することがマーケティングの中心活動となる

 私はこの結論にたどり着くまでそれなりの時間を要しましたが、おかげでカスタマー“サクセス”マーケティングの本質に至ることができたと思っています。

 以降、上記の3つの結論に達するまでの思考プロセス1~4を順に説明することで、なぜこの結論に至ったかを説明したいと思います。


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