 |
パラアーチェリー女子で東京パラリンピック代表に内定している岡崎愛子（３４）＝ベリサーブ＝が、多くの死傷者を出したＪＲ福知山線脱線事故で障害を負ってから、２５日で１５年になる。本格的に競技を始めて４年と競技歴は浅いが、事故に遭った過去ばかりを注目されたくはない。「せっかく東京パラに出るんだから、選手として見てもらいたい」。１年延期された夢舞台。「課題克服の時間が増えた」とプラスに考え、今できる練習に励む。 （神谷円香）
下半身と、手や体幹にも不自由がある重度障害のクラスＷ１で戦う。両端に滑車が付き、小さな力でも引ける弓を構える。昨年、内定を決めると、自己流のフォームを日本代表コーチに見てもらい、基礎からたたき直した。今年２月の国際大会で初優勝し、東京パラへ弾みをつけたところで延期が決まった。
岡崎は障害で肺活量が一般女性の半分しかなく、新型コロナウイルスに感染した際の重症化リスクは高い。東京都内の練習拠点の閉鎖もあり、自宅で近距離の射的や筋力トレーニングを続ける。「課題はいっぱいある。その練習ができるし、パラアーチェリーもあと１年ＰＲできる」と前向きだ。
２００５年４月、事故は同志社大２年の時だった。大阪の自宅から通学する途中。乗っていたのは、線路脇のマンションに突っ込み大破した先頭車両だった。頸髄（けいずい）を損傷し、入院は負傷者で最長の３７７日。首から下にまひが残った。
退院後に復学。卒業すると上京し、ソニーに勤めた。「家族に頼らず生きていこう」と一人暮らしをして必死に働いた。息抜きで楽しめるスポーツを探し、「車いすでもできるらしい」と経験者の母から勧められたのがアーチェリー。１３年１２月、都内であった障害者スポーツの体験会に参加し、全身を使う爽快感に引かれた。
翌年２月に退職し、別の仕事をしながらアーチェリーを始めた。以前から脊髄損傷者専門のジムに通い、体は柔軟で鍛えてあったが、プレーするには補助が必要で、当初は家族が上京する数カ月に１度だけ。それでも「やるなら高い目標を」とパラ出場を視野に。１６年からアシスタントを務めてくれる人が現れ、本腰を入れた。
|
昨年１１月、東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンターで練習に励む岡崎愛子＝日本身体障害者アーチェリー連盟提供 |
 |
東京パラの代表内定は思いがけないものだった。１９年６月の世界選手権。格上の選手が別の障害クラスに移ったことで、男女でペアを組むＷ１ミックスの代表に。初の国際大会だったが、予選上位の相手を破るなど３位に入り、切符をつかんだ。ただ、喜びより「（東京で）下手な試合は見せられない」という重圧の方が大きかったと振り返る。
日本でＷ１女子の強化指定選手は岡崎だけ。日本身体障害者アーチェリー連盟の登録会員は１９年８月現在で２３７人。５０代以上が７割近くを占める。「競技人口が増えてほしい」。ＰＲの機会があれば事故で障害を負った話もしてきた。今、周囲にはもっとアスリートとして見てもらいたいが、「事故の被害者」がついて回る。「もう１５年。この先も被害者と言われ続けるのは嫌。変えられない過去にとらわれたくない」
風の影響を受けやすい本番会場を想定し、この春、より速く矢を飛ばせる弓に変えた。来年、胸を張って射手としての姿を見せられるように、さらなる高みを目指す。
＜ＪＲ福知山線脱線事故＞ ２００５年４月２５日朝、兵庫県尼崎市で、ＪＲ福知山線上り快速列車が尼崎駅手前のカーブに制限速度を超過して進入。１〜５両目が脱線し、１、２両目が線路脇のマンションに衝突した。乗客１０６人と運転士が死亡、乗客５６２人が負傷した。
"から" - Google ニュース
April 25, 2020 at 05:51AM
https://ift.tt/3bO2UBT
福知山線脱線で障害 事故から１５年 パラアーチェリー・岡崎愛子:スポーツ(TOKYO Web) - 東京新聞
"から" - Google ニュース
https://ift.tt/3836fuw
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update
Bagikan Berita Ini
0 Response to "福知山線脱線で障害 事故から１５年 パラアーチェリー・岡崎愛子:スポーツ(TOKYO Web) - 東京新聞"
Post a Comment