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“たらい回し”発症から1週間、新型コロナ感染 患者が語った - TBS News

3日

16時50分

3分48秒

“たらい回し”発症から1週間、新型コロナ感染 患者が語った

 感染拡大が続いている新型コロナですが、JNNは感染が確認され、医療機関に入院している患者に話を聞くことができました。浮かび上がったのは、「患者たらい回しの実態」、そして「想像以上の苦しみ」でした。

 「60歳近い年で39度の熱が数日続くと、かなりつらい」

 こう話すのは都内に住む50代の男性。今月1日、新型コロナへの感染が明らかになりました。呼吸器や嗅覚、味覚などには異常はなかったといいますが、男性をまったく別の症状が襲いました。

 「物事の思考能力がなくなるという感じの頭痛。激しい頭痛が前頭葉というか前の方が、ガンガン突き刺さるような痛みがありました」(感染した男性)

 経験したことが無い激しい頭痛に、意識がもうろうとするほどだったといいます。しかし、男性は発症から1週間、入院することはできませんでした。そこから見えてきたのは「患者たらい回しの実態」でした。男性は高熱が出たあと、かかりつけ医に行き、解熱剤などを処方されました。発症から4日後、熱は下がらず新型コロナ感染を疑った男性は、国が定めた手順通り、保健所の相談窓口に電話をします。

 「『(もう一度)かかりつけ医で診てください』ということで、電話を切られた。かかりつけ医には『うちはPCR検査にたどり着くような流れに組み込まれていません』」(感染した男性)

 再度、保健所に連絡。すると今度は「総合病院に行くよう」勧められました。しかし・・・

 「うちではコロナ感染の疑いがある人は診ていません。お引き取りください」(総合病院)

 結局、男性は自力で新型コロナ外来がある病院を探し当て、そこでPCR検査を受け、陽性が判明しました。発症から入院までの1週間を自宅で過ごした男性。今、心を痛めているのは家族のことです。

 「先生からも、もし90歳のお母様が同じ病気にかかったら、それは治らないと諦めてください。自分だけ生きることを今は考えてください」(感染した50代男性)

 なぜ、たらい回しが起きるのでしょうか。JNNの取材に対し、男性の診察を拒否した総合病院は「的確に診察できなかったことをお詫びする」「PCR検査を希望する人には保健所を案内していたが、現在はコロナ外来を設置し、順次、診察している」とコメントしました。

 「顔の高ささえブロックできれば」

 発熱患者を受け入れている東京・調布市の医院が危惧するのは医師やスタッフの感染リスクです。

 「我々が放棄すると、きっと(患者が)中小病院に行って病院が機能しなくなってしまう。我々、一般診療所がしっかり対応しないといけない」(西田医院 西田伸一 院長)

 感染拡大と医療崩壊。その危機が現実味を帯びる中、医療現場は難しい対応を迫られています。

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